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私の手帳

2014年度から開始した私ども笹川保健財団も「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業はただ今6期生18名が8カ月の研修中です。

これまでに研修を終えた5期にわたる看護諸氏のうち55名が23都道府県に各自の城―在宅/訪問看護センターを開設し、365日24時間、地域の人々へのケアを提供しています。

2019年7月14、15日、新宿の京王プラザホテルで、日本在宅医学会と日本在宅医療学会がひとつなって生まれた日本在宅医療連合学会の第1回大会が盛大に開催されました。私どもは、本研修事業と起業家看護師方の業務の総括成果を1時間にわたり、また、シンポジウムとして「エンドオブライフケアにおいて看護師ができること」を開業者5名か発表、質疑を繰り広げました。詳細は財団ホームページの活動報告をご覧下さい。

さて、6年目が進行しているこの事業は「看護師が社会を変える」と銘打っています。
なぜ、社会は変わらなければならないのでしょうか?また、
看護師が、なぜ、社会を変えねばならないのでしょうか?そして、
それは可能なのでしょうか?

世界最速で高齢社会化を邁進しているわが国の大きな問題、ひょっとすると最大の問題かもしれませんが、それは世界で例をみないほどうまく維持されてきた国民皆保険をどう維持継続できるか、かもしれません。わが国では、誰でも、どこでも、何時でも、安価で、レベルの高い医療の恩恵を受けられることが当たり前だと思ってきましたが、そうではなくなる・・・かもしれないのです。

誰でも、どこでも、何時でも・・・
「すべての人が適切な健康増進―予防、治療、健康回復に関する手段/サービスを、支払い可能な経費で受けられること」をUHC(Universal Health Coverage/ユニバーサル―ヘルス―カバレッジ)とよびますが、過去数年来、WHOをはじめとする国連だけでなく、世界中の国々がこれを追及してきました。なぜでしょうか?端的に申しますと、健康であること、そのための手段を保証されることは基本的人権でありますし、さらに人々が健康であることは国や地域の開発発展の目標でもあるからです。

急激に高齢化した日本では、旧来の先進医療技術を、あえて申しますと濫用してきた医療制度に黄信号が点灯し、一つの対応として介護保険制度が導入されました。世界の他の国々でも同様の事態があり、多くの国では、既に病気を治す場=病院や診療所での医療には、やや制限があると申せます。

私もその一員ですが、高齢者は、はっきりと診断の付く病気を持っていなくとも、健康状態は万全ではありません。ぐずぐずうじうじもやもやしています。高齢者は、フレイルと呼ばれる身体力や感染などに対する抵抗力の低下した状態があって普通です。どんなにお金をかけても、年々、月々から、私の場合は日々低下する体力能力低下があることを否めません。では、いざ!病院でしょうか?高齢者のもつ日常的な体力能力低下は、若い人がケガをした、感染症に罹患したのを治療するのとは全く異なります。

治らないと判っていても病院へ行きたい・・・高齢者は減りません。が、それは医療費用だけでなく、ただでも忙しい医師の時間や能力を乱用することになりがちです。
急性疾患ではありません。では、病院に行けばよいのでしょうか?

看護師は、病人だけでなくあらゆる人々の健康をその生活面を含めてケアできる専門職だと私も考えています。高齢者の健康は、病院で護れる部分より、生活の場で対応すべき、対応できる部分が多いのではないでしょうか?

私どもの研修修了生による「日本財団在宅看護センター」ネットワークでは、ちょっとユニークな試みを始めました。ご指名かかりつけ看護師と一体化して、高齢者(に限りませんが)が自らの健康を自ら考え、行動する一助となる「私の手帳」の作成です。

私も、研修1期生 豊島区で日本財団在宅看護センター一般社団法人「葵の空」を開業されて間もなく4年目の入澤亜希氏にかかりつけ看護師をお願いし、私の手帳記載を手伝って頂きました。まだ、これからですが、主治医の前に、主治看護師を!!です。主治医には病気の対策をお願いし、健康は看護師にゆだねる・・・もちろん、自分が主体です。この続きは、追って報告いたしますが、日本の高齢者(だけではありませんが)の病院依存意識を変えることで社会の何かが変わる・・・それは、地域社会の中の看護師、人々の中で活躍する看護師が先導すべき役割だと、私は確信しています。

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