JP / EN

Chair's Blog 会長ブログ ネコの目

猫イメージ

コロナウイルスとの付き合い、マスクの話 その1

1月15日に始まった新型コロナウイルス感染の山は、ようよう、峠を超えたようで、4月7日以来の緊急事態宣言も、ほぼ、解消されました。ホッとすると同時に、気が緩み、何もかもコロナ以前に復帰・・・はありえません。が、この数カ月、医療施設や地域のあちこちで人々のケアに当たられた保健医療の専門家だけでなく、いわゆる生活維持のためのインフラー社会生活を維持するための諸々、交通移送、通信情報、上下水道、電気、ごみ処理、治安・・・そして食料や日常品の流通販売などなど、それらがうまく機能することで私たちの生活が成り立っているもろもろーを支えて下さっている方々への感謝も忘れてはなりません。

今ではよく知られている100年前の、通称スペイン風邪とよばれるインフルエンザウイルス発生時には、まだ、ウイルスというものの存在が判っていませんでした。今回は、麻疹、肝炎、インフルエンザ、エイズ、エボラ・・・たくさんのウイルスのひとつとしての、21世紀初頭に現れたSARS(サーズ、Severe Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群)を惹き起こしたコロナウイルスの新顔として現れたのですが、それが惹き起こす病態の異様さからして、やはり未知の病原体でした。

研究者や医療の実践家により、少しずつ本態が解明されつつある一方、公衆衛生や行政の関係者らによる予防的対策が実践され、そして世界中が、ほぼ、ひとしく行った緊急事態宣言・・・つまり個々人の予防行動によって山が越えられたのです。

「それにしても・・・」と、外国籍の知人が申します。「何かあると、キミの国のメディアはそれ一色になる・・・今回も、TVに現れるすべての人がコロナコメンテーターになっている。そして、皆さんは、飽きもせず(とちょっと皮肉っぽく)、よくも朝から晩まで見ていられるね・・・」と。で、私も、少し嫌みを返します。「何か、あなたのお邪魔をしたり、ご迷惑をおかけしたりしている訳ではありませんよね・・・」

結局のところ、こまめに手をしっかり洗う、密集・密接・密閉の三密をさける、ソーシャル・ディスタンス(他の人との距離を保つ)、そしてマスクをすることが、このウイルスを閉じ込める極意だと判りました。三密をさけるには、時と場合によって規制が必要かもしれませんが、他は、すべて個々人がなすべき、なし得ることです。どんなに優れた専門家が100人居て下さって、その方々が手を洗われても、その方々があなたの手を洗っては下さいません。あなたの手を洗うのはあなた自身です。どんな名医がマスクは大事と仰せになっても、あなた自身があなたの鼻と口を覆うマスクを、あなた自身で実行しなければ、あなたとあなたの周りの予防は出来ません。三密をさけ、他人と距離を取ることもあなたが実践者です。つまり、コロナの予防は、あなた自身、私自身の個々の行為で可能なのです。緊急事態宣言がお嫌なら、ちゃんと予防行為を実践しましょう。

それにしても、世界中、これほど一色化したことは有史以来ないのではないのでしょうか。そうマスクです。いくつか、目に留まったマスク関連の話題です。

まず、Time誌2020年4月5日号の「コロナウイルス流行中にマスクを着ける(あるいは着けない)倫理 “The Ethics of Wearing(or Not Wearing)a Face Mask During the Coronavirus Pandemic”」です。こんなことが書かれています。

「興味深いことだが、アメリカ人は常に無私無欲ではなく、開拓者精神に富んだ経緯から、個人の自由を尊重し、時には公益を犠牲にしても個人の自由・・・が第一なのだ。」フーン、そうか!ではどんな自由?ですが、過去数年、学校内などでの銃による事件が割合続いても、銃規制がなかなか進まないことを思うと、なるほどなぁ・・・という気がします。ですから、「コロナウイルスだからマスクせよ!!」は、グチャグチャするそうです。

失礼ながら、頑固にマスクをなさらない大統領ですが、「4月3日には、アメリカ疾病予防対策センター(CDC)が、コロナをまき散らさないためには、お手製の布マスクを推奨している」とも発言されています。が、わが国ほどマスクに馴染んでいないアメリカでは、「マスク姿そのものが差別の対象になる、感染者と誤解され、実際、アパートでマスクしていると誰もエレベーターに一緒に乗らない反面、マスク姿で買い物に行くと人が寄ってこない」そうです。今は、見かけませんが、日本のラッシュアワーのマスク姿をご覧になれは、気絶する人が出るかもしれませんね。

そして、「マスクが品薄なら、誰が使うべきか・・・高齢者か、基礎疾患のある人か、はたまた感染しても発病しないまま、意識せずにウイルスをまき散らす若者か・・・も問題だ」そうですが、「買い占めには社会的批判が大きい。」そうです。そして、厳密にウイルスを防ぐとされるN95(4月7日のブログをご参照ください)は誰が使うべきか・・・などなど、やはり理念の国ですね。

も一つ、興味深い論評を見つけましたので、それは次回に。