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公開講座~新型コロナ・ハンセン病の過去・現在・未来~を開催しました

2022年1月22日(土)、笹川保健財団コロナウイルス関連セミナー第4弾を岡山市の会場とオンラインのハイブリットにて、賢人を語りつなぐ会、合同会社岡山訪問看護ステーション晴、岡山大学、株式会社日本医療企画と共催いたしました。

特別栄誉教授大村智博士と山田方谷の至誠惻怛(しせいそくだつ) 感染症(コロナ感染症・ハンセン病)への取り組みと過去・現在・未来への展望とその思想』と題した本公開講座は、新型コロナウイルス・オミクロン株の急拡大により、急遽岡山と東京の2会場を繋いでの開催となりました。
講演の一部は、「賢人を語りつなぐ会」のYouTubeチャンネルにて公開中です↓

講演①<感染症と至誠惻怛>
北里大学特別栄誉教授 大村智博士

大村博士は、母校・山梨大学に建てられた記念学術館に刻むほど、「至誠惻怛(しせいいそくだつ)」という言葉を大切にされています。
講演では、薬のない時代、様々な感染病の流行に脅かされながらも、至誠(まごころ)と惻怛(いたみ悲しむ心)を大切にしながら、いかに世の中の人々が過ごしてきたかを天然痘やハンセン病等を例にお話しいただきました。また、イベルメクチンに関する研究の経過・成果についても分かりやすくお話しいただきました。

講演②<感染病に対する山田方谷の政策と思想>
学校法人二松学舎 評議員 野島透氏

山田方谷の6代目直系子孫である野島透氏。
農民出身ながら、江戸末期の筆頭老中・板倉勝静の参謀として手腕を振るった山田方谷の功績をコレラ流行期の「科学的(合理的)な治療」と「国民の心の安定」を図った政策を中心にお話しいただきました。

シンポジウム

座長の講演に続き、下記4名のシンポジストによる発表及びディスカッションを行いました。

  • コロナ禍において訪問看護に求められること
    赤瀬佳代氏(合同会社岡山在宅看護センター晴 代表社員)
  • ハンセン病の歴史はコロナ禍に活かせるか-歴史から学ぶ
    山本典良氏 長島愛生園 園長
  • 岡大病院におけるコロナ感染症および後遺症への対応
    大塚文男氏(岡山大学病院 総合内科・総合診療科 教授・副病院長)
  • 感染症の歴史から学ぶ地域共生社会実現への想い~仮想空間と現実空間の理論(SSM)~
    青木佳之氏(全国社会福祉協議会 全国地域包括・在宅介護支援センター協議会 会長)

総括 喜多 悦子

病原体と闘ってきた人類の歴史を振り返り、科学性・専門性の発展の上に現在の生活がある一方、差別偏見といった社会的・人道的な問題に対し、立ち止まって考える時期が来ているように思います。また、今回「至誠惻怛」をテーマにしましたが、日本には固有の文化や思想があり、アイデンティティがあります。外からの情報を得るばかりでなく、世界にも役立つ日本の知恵を積極的に発信していく必要があるのではないでしょうか。
専門分野に生きる者にとっても、専門性科学性社会性人間性のバランス、そしてダイバーシティと、それらを統合する総合性を身に着けていく必要があることを痛感いたしました。

総括 槙野博史氏

ご講演の皆さまから、至誠惻怛を実践されていることを感じました。SDGsには、あるべき姿を考え、課題を自分事とし、課題解決するために行動に移すというステップがありますが、一番大切なのは心・想いであり、日本古来の考え方や仏教にも通じるものがあると思います。本シンポジウムが、過去・現在を振り返り、今後ポストコロナ・ウィズコロナ時代がどうあるべきかを考えるために少しでも役立てば幸いです。