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インドネシア ナショナル・アピール(1)

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出産を間近に控えたお母さんが、急にお腹の痛みを訴えた。
慌てた家族は急いで最寄りの病院へ。
さんざん待たされ、やっと診察・・・という時に「申し訳ないけれど、あいにく満床なんです。うちでは診察できません」
え・・・?困惑する家族。見渡す限り、それほど患者さんがいるとは思えません。赤ちゃんは今にも生まれそう。言葉を濁す看護師や病院関係者。
結局彼女はこのあと2、3の病院をたらいまわしにされました。出産こそ無事にできたものの、母子ともに命を落とす危険性がありました。どうして彼女は診察を断られたのでしょうか。
それは、彼女が以前ハンセン病を患っていたからでした。しかし今は病気も治り、健康体です。ハンセン病とは全く関係なく、出産のために病院を訪れました。

病院側は、カルテに残っていた彼女の病歴を知り、診察を拒みました。
本来であれば、ハンセン病について最も良く知っているはずの医療従事者間の偏見・差別。
インドネシアでは、このようなケースが各地から報告されており、当事者団体を中心に啓発の取り組みが始まっています。
その第1弾として行われたのが、「ナショナル・アピール」でした。
これは、日本財団が2006年から行っているグローバル・アピールに共鳴したもので、インドネシア保健省、医師会、看護師会など医療従事者の全国組織が集まってハンセン病に対する差別をなくすことを訴えるメッセージを発信しました。当財団では、医師会等の代表者が署名したメッセージ全文(インドネシア語)の全国紙2紙への掲載を支援しました。

内容は、日本語版と同じものです。

日本版はこちらからglobal apeal 2012j

全国紙掲載をきっかけに、全国の国民、特に医療従事者の注目を集めた3月。この絶好のチャンスを活かすため、保健省以外の団体も一斉に動き出しました。もちろん、全国初の当事者組織PerMaTaが中心人物です。