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インドネシア ナショナル・アピール(2)

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2012年の4月、インドネシア第2の都市、東ジャワ州のスラバヤにある当事者組織PerMaTa(ペルマータ)の小さな事務所に、20名ほどが車座になって会議を行っていました。

議題は、ナショナル・アピールをどう効果的に活用するか。集まったのは、ハンセン病回復者組織PerMaTaのメンバー、ハンセン病患者・回復者を支援する地元NGOスタッフ、そしてジャカルタから駆け付けた保健省、WHO、オランダハンセン病協会のスタッフ、インドネシア大学公衆衛生学科に在学中の回復者の女性、そして当財団からは私。皆の表情はなごやかながらも議論は熱く、それぞれの立場を超えてどう協力していけばいいのか真剣に話し合いました。そして、当面は以下のように活動していくことになりました。
・ ナショナル・アピールのメッセージを印刷したポスター(オランダハンセン病協会が制作を支援)5000部を、PerMaTaメンバーがそれぞれの居住地に持ち帰り、保健所や病院、クリニックなどに貼る。
・ その際、医療スタッフを始め関係者に対して、ハンセン病に関する啓発活動を行う。治療が完了すれば感染は起きず、診察や治療を拒むことは不当であることをきちんと説明する。
・ 啓発活動を主体となって行っていくPerMaTaメンバーの中には、どのように保健所へアプローチし、説明すればよいのかがわからない人もいるので、3日間のトレーニングを実施する。
そして2012年7月16日~18日。当財団とオランダハンセン病協会が協力し、3つ目のポイントにあったトレーニングが開催されました。
1、2日目は講義です。ハンセン病についての基礎的な知識をおさらいし、どのように話したらうまく伝わるかを学びます。ポイントは、「相手を責めない」こと。淡々と事実を伝え、是非とも協力してほしい、と相手を味方につけるように話しかけます。

「講義」といってもなんだかのんびり

3日目は実地訓練です。実際にスラバヤにある保健所へ出向き、ポスターを貼らせてもらいながら啓発活動を行いました。

ポスターを貼っているのは、東ヌサ・トゥンガラのメンバー。地元に帰ってこの経験を活かしてくれればなっと思います。今回のトレーニングには、東ジャワだけでなく南スラウェシ、東ヌサ・トゥンガラのメンバーも参加しています。それぞれが地元に帰り、地道ながらもポスターを使った啓発活動を続けていく予定です。ポスターを貼るためだけの予算というのはないので、何かの活動のついでに行っていきます。すぐに結果が出るものではありませんが、できることから少しずつ始める、というのがPerMaTaの良いところです。財団では、これからも彼らの活動を支援していきたいと思っています。