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【WHOハンセン病制圧大使ニュースレター131号】The last mile starts now

テドロス・アダノムWHO事務局長と面談(2026年5月19日、ジュネーブ)

2026年、私はWHO親善大使就任25周年という大きな節目を迎えた。今年の世界保健総会において、テドロス・アダノムWHO事務局長は公式演説の中で、「WHO史上最長の親善大使として、笹川氏の確固たるリーダーシップはハンセン病対策の流れを大きく変えてきた。氏と共に活動できることを光栄に思う」と、身に余る評価を寄せてくださった。

25年前、私がこの大任を引き受けるにあたり、強く心に決めていたことがある。それは、単なる名誉職に甘んじることなく、課題解決に向けて主体的に動く「新たな親善大使像」を確立することであった。この信念の下、ハンセン病のない世界の実現を目指し、私は3つの柱を実践してきた。第一に、自ら現場に赴いて実態を直視すること。第二に、各国首脳に直接働きかけて国家を動かすこと。第三に、メディアを通じて広く発信し、国際社会の支持を取り付けることである。この25年間で積み重ねた活動日数は2,654日、面会した閣僚級以上の要人は1,812名、訪問国数は127か国を数える。

しかし、闘いはまだ終わっていない。各国には統計に表れない隠れた患者が今なお多数存在しており、彼らとその家族は根深いスティグマや差別に苦しみ続けている。このような状況下において、私はコロナ禍の2021年、“Don’t forget leprosy – Leave no one behind” キャンペーンを始動した。そして、大使就任25周年であり、WHOの2030年目標の中間地点でもある今年、私は新たに “Don’t forget leprosy – The last mile starts now” という意志を掲げ、この運動をさらに加速させる。

一般に「ラストマイル」といえば「ゴールの直前」を連想しがちだが、決してそうではない。「百里を行く者は九十九里を半ばとする」の格言通り、真の終わりへ向かうこれからの道のりこそが、最も険しく、最も重要な「後半戦」の始まりだと私は考える。ハンセン病のない世界を実現するために、今一度私たちが気を引き締め、強固に団結していくことが不可欠である。悲願の達成に向け、皆様のさらなるご協力を心よりお願い申し上げる。

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平