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67号  大使メッセージ:宗教家の役割に期待する

去る3月20日、ダライ・ラマ法王様にインドのデリーに所在するタヒルプール・ハンセン病コロニーをご訪問いただいた。

法王様は、ハンセン病による身体的・社会的な苦しみに耐えてきた患者・回復者そしてその家族一人一人の手を握りしめ、慰めと激励のお言葉をかけられた。「身体的な問題があるとしても希望を失うことはない。誰もが平等に幸せになる権利がある。自信を持つことが一番重要だ。」という法王様のお言葉に、みんなが勇気づけられたに違いない。長年ハンセン病患者・回復者のための活動を続けている私としても、感謝の気持ちでいっぱいである。

宗教には人間の内面に働きかけ、社会の変動を促す力がある。実際に私はハンセン病制圧活動やその他人道支援活動で各国を訪問するなかで、宗教が社会に与える影響力の大きさを実感してきた。そしてこれまで多くの宗教家の方々とお会いするなかで、国や地域における彼らの重要な役割を目の当たりにしてきた。

私は、宗教家がスティグマや差別に苦しむハンセン病患者・回復者を勇気づけるとともに、社会のハンセン病に対する認識を変える(正す)ことができると信じている。

2009年には、ハンセン病患者・回復者と家族に対するスティグマや差別を無くすために、世界のリーダーが集まって発信するグローバル・アピールに、ダライ・ラマ法王様をはじめ、キリスト教、イスラム教、仏教、ユダヤ教などの世界的な宗教指導者の方々と共同メッセージを発信した。

宗教家の皆さまが、法王様がコロニーを訪問して下さったように、ハンセン病患者・回復者と家族を勇気づけて(encourage)いただけると心強い。また教会や寺社など地域の人々が集まる場では、ハンセン病の問題を取り上げていただき、ハンセン病に対する誤解を解くようなお話をしていただければ、人々の意識も変わっていくに違いない。そうすることによって、ハンセン病患者・回復者と社会の双方から差別の壁を徐々に壊していくことになるだろう。

宗教家の皆さんの役割に期待するとともに、今後も更なる協力を呼びかけていきたいと思う。

67号PDF

MESSAGE: Looking to Religious Leaders(宗教家の役割に期待する)

REPORT: Working for a Living

OPINION: Realize the Potential of the People

REFLECTION: Who Do I Tell?

TRIBUTE: Remembering Professor Lechat

MUSEUM PIECE: Father Variara’s Trumpet

AMBASSADOR’S JOURNAL: In Delhi with the Dalai Lama

NEWS: Uniting Against NTDs