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35号 大使メッセージ:ブラジル大統領との会談

11月18日、ハンセン病制圧に対する政治的コミットメントをとりつけるため、ブラジルにルーラ大統領を訪ねた。ルーラ大統領は、大統領就任まもなくハンセン病療養所を訪問し、また同国に過去存在したハンセン病患者隔離政策の被害者である回復者への補償法案に署名するなど、ハンセン病に対する深い関心と理解をお持ちのかたである。

したがって、その大統領のお膝元であるブラジルが、ネパールと並んでWHOの公衆衛生上の問題としてのハンセン病制圧を達成していない二カ国の一つであることは理解しがたいことである。このままだとブラジルは近いうちに最後に残る唯一の未達成国となるだろう。私はこの点を大統領に率直にお伝えして行動を起こしてくださるようお願いした。

大統領は、1991年5月、第44回WHO保健総会で全会一致で合意した「公衆衛生上の問題としてのハンセン病制圧」という目標を達成するために行動を起こすと約束してくださった。その晩遅く、大統領が保健大臣やその他の官僚を召集して、全国の地方自治体の長にハンセン病対策にデング熱対策同様高いプライオリティをおいてあたるよう指令をだされたことを聞いた。

強いリーダーシップのもとに勢いをもって進めないと、確実な進展は望めない。世界の多くの国で、保健の問題は住民に最も近い市町村にゆだねられており、特に広い国土を持つブラジルではこの影響力が大きい。したがって、この勢いがトップから末端の第一線で活動するヘルスワーカーまで確実に伝わることが重要である。

公衆衛生上の問題としてのハンセン病の制圧は、根絶へのマイルストーンである。既に制圧を達成した国々も、さらに新患者の数を減らし、質の高いサービスを維持するという現行のWHOの戦略を共有している。

ブラジルが後に残る国とならないよう、制圧のマイルストーンを達成することを皆で応援しようではないか。

WHOハンセン病制圧大使  笹川 陽平

35号PDF

MESSAGE: Come On, Brazil)ブラジル大統領との会談

REPORT: Enhancing the Global Strategy

INTERVIEW: Emphasizing a ‘Social Approach’

INDIA: Parliament Committee Backs Petition

HUMAN STORY: Agent of Change

HISTORY: Echoes from the Past

AMBASSADOR’S JOURNAL: A Meeting with President Lula

NEWS: TNF, SMHF Receive Damien-Dutton Award

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