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20号 大使メッセージ:リーWHO事務局長の遺志を継ごう

ハンセン病制圧の闘いを一緒にしてきた同志であったWHO事務局長、リー・ジョンウォック氏が突然亡くなられたことに深い悲しみを覚えます。リー氏は人々のための医療に尽くす人生の第一歩をハンセン病専門家として歩まれました。日本人の奥様と出会われたのも、奥様がボランティアをされていた韓国のハンセン病施設でした。リー氏はWHOが闘う数多くある病気の中でも、ハンセン病との闘いを重要視されました。私を、ハンセン病制圧特別大使に任命したのもリー氏でした。特に、ハンセン病患者・回復者に対する社会的差別の問題にも心を痛めておられました。

リー氏の逝去と時を同じくした世界保健総会で、リー氏と私とは制圧大使の任期更新の覚書を交わすこととなっていました。新しい覚書には、これから2年間の任期に私がやるべき仕事として、ハンセン病患者・回復者に対する差別とスティグマの問題との闘いが新たに含まれています。

リー氏に代わって、事務局長代理のノートストロウム氏との間で新たな覚書を交換し、私の新しい任期が始まりましたが、私は、ハンセン病制圧大使としての使命をリー氏から与えられた遺志ととらえ、その遺志、すなわちハンセン病のない世界、差別やスティグマのない世界を作ることに全力をあげる決意です。

元WHO事務局長のハーフダン・マーラー氏はリー氏を悼んで次のように述べられました。

人生の悲劇は目標が達成されないことではない。達成すべき目標を持たないことが悲劇である。夢を果たせずに死んでゆくことは不幸ではなく、夢を見ないことが不幸である。理想を我が物にできないことは問題ではない、我が物とするべき理想をもたないことが問題である。星に到達しないことが不名誉なのではなく、到達すべき星をもたないことが不名誉である。失敗は罪ではない、低い志こそが罪深いことなのである。リー氏は非常に高い志のもと、愛と高い能力でWHOの仕事に尽力された。

マーラー氏が言われたように、愛と能力と高い志のもとWHOへ献身され、人々が健康で幸福な生活を送れる社会を作るためにリー氏はまさにその命をかけられました。この尊い犠牲を無にせず、リー氏の遺志を継ぎ、ハンセン病のない世界を作ってゆこうではありませんか。

WHOハンセン病制圧大使  笹川 陽平

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Message:Remembering Dr. J.W. Lee(リーWHO事務局長の遺志を継ごう)

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