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ガーナでハンセン病回復者たちの家が建てられました

ガーナは1998年に国レベルでハンセン病制圧目標(人口1万人当たり患者数が1人未満となること)を達成して以来、制圧レベルを維持していますが、北部ではハンセン病の有病率がいまだに高い地域も残されています。それらの地域では、ハンセン病に対する偏見や差別が根強く残り、医療面・社会面の双方の活動が必要不可欠でした。IDEAガーナ(注1)は、その北部を中心にガーナ社会で非常に重要な役割を担うチーフの協力を得て、定着村とその周辺でハンセン病の啓発活動を行った結果、数年でガーナの偏見と差別の問題は急速な進展を見せました。そして、過去数十年にわたってハンセン病定着村で暮らしていた回復者の約800人が帰郷を果たし、現在でも故郷で家族と暮らしています。

IDEAガーナのメンバーは、9人の故郷の村のすべてを巡回し、村長、村チーフ、村民、地区/州チーフを交えての啓発集会を行いました。その結果、住む家さえあれば、村での生活には不自由がないようにすることが約束されました。
現在、ガーナではハンセン病は外来での治療が可能であり、偏見や差別の問題もほぼ解決しており、ハンセン病問題は、この9人の帰郷でほぼ解決するものと言えます。そこで当財団では、ガーナのハンセン病問題の最終解決のために、9人の家屋を建築して帰郷を支援することにしました。2017年度は5名、2018年度は4名の家屋建築を支援しました。

建築中の家屋

すでに2017年に家が完成し、故郷での暮らすようになったEkua Ketsiwa(エクア)さんからは、「お金がないために家を建てられなかったので、これまで37年もハンセン病回復者キャンプ(回復者村)に住んでいました。村のほとんどの家は土でできている中、セメントレンガ建ての立派な家を造っていただいたおかげで、村の重要人物とみてもらえ、人々が尊敬してくれるようになりました。このような家に住めて本当に幸せです。」との報告がありました。

 
コンクリート造りの立派な家ができました
エクアさんに新築の家の鍵が手渡されました
 

注1:
IDEAガーナは、2003年に設立され、ハンセン病回復者やその家族の尊厳の回復や社会復帰を目指して活動を開始し、ハンセン病回復者のために主に井戸やマーケット建設などの生活環境改善や啓発活動を積極的に行っています。これまではハンセン病に対する正しい知識と理解がなかったことから、エチオピア社会では回復者に対する偏見や差別が厳しかったものが、IDEAガーナのメンバーによって病気や障がいに関する正しい知識の伝達や回復者の尊厳ある人生の語りの会を開催するに従って、人々のハンセン病に対する見方や回復者に対する接し方が急速に変化しました。