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在宅看護と災害に関する研修会を行いました

2月23日(土)渋谷の看護協会ビルにて「在宅看護と災害」の研修会が行われました。
講義①では笹川記念保健協力財団 会長喜多悦子より災害には自然災害と人為災害があること、また、国が異なると災害が異なる等、グローバルな視点から災害とは何かの概論説明がありました。

笹川記念保健協力財団 会長喜多悦子
会場の様子

講義②では神戸常盤大学の畑吉節未先生より「在宅の特性を踏まえた訪問看護ステーションの備えをデザインする」というテーマのもと、災害時に在宅療養者が直面するリスクから平時の備えを考えるという、災害時在宅看護の概念の講義がありました。

会場の様子
神戸常盤大学 畑吉節未先生

講義③では熊本地震時に訪問看護ステーションの管理者をしていた訪問看護ステーション清雅苑の管理者 木村浩美様より、実体験をもとにした講義がありました。災害直後、子供の学校が休みで職員が仕事に出られないといった問題から、災害直後に在宅看護実習の受け入れをしていた大学の学生にボランティアの要請をしたところ述べ110人の学生が手伝いに来てくれて助かったなど、経験をもとにした有益な情報の共有をしていただきました。

訪問看護ステーション清雅苑の管理者 木村浩美様

昨年の広島・岡山での水害で笹川記念保健協力財団は初めて、被災された在宅/訪問看護センターへの支援をさせていただきました。
講義④ではその支援先であるそーる訪問看護ステーションの理事長 片岡奈津子氏より、発災前後のステーションの様子を時間ごとに説明がされました。また訪問看護師として避難先を訪問しながら高齢者のケアを提供する中で見えてきた、支援される側、支援する側の課題解決で行政との連携の重要性が説かれました。

会場の様子
そーる訪問看護ステーションの理事長 片岡奈津子氏

最終講義では、厚生労働省健康局健康課長の武井貞治氏より、災害時健康危機管理支援チーム DHEAT(Disaster Health Emergency Assistance Team)の概況説明がありました。
DHEATとは災害時に陥る指揮調整部門の機能不全に対して、専門的研修・訓練を受けた職員により組織された組織で、被災自治体による災害時の指揮調整を補佐していく役割を担っていると説明がされました。

厚生労働省健康局健康課長 武井貞治氏
会場の様子

研修会の最後に、日本看護協会 会長 福井トシ子氏より、病院から在宅へ看護を提供していく時代になっていると在宅看護の重要性を述べた上で、在宅看護と災害に特化した研修会は珍しく貴重な会であったと評価を頂きました。

日本看護協会会長 福井トシ子