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カナダ視察報告 vol.1 ~カナダの在宅看護概要~

2019.3.20~3.28 カナダの在宅看護視察に行きました。
数回に分けて視察結果をご報告します。第1回目はカナダの在宅看護の概要についてお伝えします。
 
●カナダ概要
・面積       :9,985,000 km²(日本の約27倍)
・人口       :3,515万人(日本の1/4倍)
・病院数        :2.5/人口1,000人あたり(日本は13.1)
・平均入院期間   :2日(日本は10日)
・医師の数     :2.15人/人口1,000人あたり(日本は2.30人)
・看護師の数    :8.82人/人口1,000人あたり(日本は10.8人)

●カナダの在宅看護・介護事情
カナダでは無償で医療を受けることができます。※1
自己負担がない代わりに、患者は短期間で退院を余儀なくされるので平均入院日数は2日間と短くなっています。また、病院の数は日本の5分の1程です。日本は世界でも病院数が多いと言われていますが、カナダは国土面積の割に病院の数がとても少ないのです。こういった制度的・地理的な背景もあり、100年以上前から在宅看護・介護が発達してきました。
 
 
●看護師は多職種間のリーダ的役割を担う

滞在中、3つの施設を視察しましたが、日本とカナダの一番の違いは組織の規模と言えます。
90年~120年の歴史を持つそれらの施設のスタッフ数は、2,700~9,000名です。
(日本の訪問看護ステーションの平均従事者数は 6.7 人と言われています)

スタッフの構成員は、施設にもよりますが、看護師・PSW(Personal Support Workers)、リハビリ、事務職等で、これら数千人規模の施設の主な管理者は看護師です。

看護師が看護師集団だけのリーダーではなく、在宅療養に必要な多職種のリーダー的役割を担っていました。
 
 
●看護師の働き方
カナダでは州政府との契約によりこれらの施設は運営されているため、数千人規模の大規模な組織となっています。看護師は、自宅から患者の家へ直接訪問し、情報はICTにより管理・共有されます。週に1回程は施設に集い報告を行う仕組みとなっていました。
 
平均入院日数は2日間であるため、退院後の継続処置を看護師が担ていました。
NP(ナースプラクティショナー)による看護外来の他に、看護師がケアを創傷ケアに対応する外来の実施等もこれらの施設では提供していました。

以上がカナダの在宅看護の概要についてです。
次回は、地域における看護師の役割についてご報告します。

※1 視力補強、歯科診療、処方薬、救急車、在宅ケアは、一般的なメディケアの対象にはなっていないが、小児、高齢者、生活保護受給者に限りメディケアを使えるようになっている。
その他の一般の人がこれらの診療を受ける場合は、自己負担もしくは民間の保険を使用するようになる。一部の州や処方薬、歯科診療、救急車等は自己負担あり。
 
●訪問先施設一覧
VHA Home HealthCare(VHA)
Saint Elizabeth Health Care
Victoria Order of Nurses (VON)
McMaster University