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95号 大使メッセージ:横田洋三教授を偲ぶ

私は、私のハンセン病制圧活動を支えてくれた尊敬する横田洋三教授のご逝去に、謹んで哀悼の意を捧げたい。

私がハンセン病制圧の活動に情熱を傾け始めた当初は、主にWHOを中心とする医療的制圧を目的とする活動であった。ある時私は、ハンセン病はオートバイに例えると、前輪は医療であり、後輪は人道上の問題としての偏見・差別との戦いであることに気付いた。両輪が連動しなければハンセン病の真の制圧にはならない。

2003年、はじめて国連人権高等弁務官事務所に足を運び、ハンセン病と人権の問題についてバーナード・ラムチャラン高等弁務官代理に訴えた時、横田教授は国連人権促進保護小委員会の委員をされていた。横田教授のハンセン病人権問題への理解は早く、即座に私の強力なサポーター、同志として協力してくれた。

教授は、小委員会の任命で、ハンセン病の人権問題の最初の報告者として私と一緒にエチオピア、インド、ブラジルなどの蔓延国を訪問。差別され、見捨てられた患者、回復者、その家族に一人一人、まるで親か兄弟のように優しく話され、専門的立場から貴重な証言を聞き出して下さり、過酷な差別の状況を掌握された。

彼の努力なくして2010年12月の国連総会での参加国193カ国全会一致の「ハンセン病の患者、回復者、そしてその家族に対する差別撤廃決議案」がP&Gと共に採択されることはなかったであろう。

横田教授という同志を失い、深い悲しみに沈む私ではあるが、彼の深い人類愛に基づくハンセン病の患者・回復者とその家族に対する献身的な活動を思い起こし、その思いを私の双肩に背負い、更なる積極的な活動に邁進することこそ彼の厚い友情に対する恩返しになると信じている。

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平

95号PDF

WHO Goodwill Ambassador’s Newsletter No.95

MESSAGE: In Memory of Professor Yokota (横田洋三教授を偲ぶ

REPORT: Hansen’s disease issues in Japan 

TRIBUTE: Professor Yozo Yokota and the road to a UN resolution 

HUMAN STORY: “Don’t tell my husband”

AMBASSADOR’S JOURNAL: Marshall Islands, United States, United Kingdom

NEWS: Special rapporteur visits Brazil; landmark ruling in Japan

FROM THE EDITOR: ‘A CREATION OF THE HUMAN MIND’