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中国雲南省のハンセン病回復者村の衛生環境が改善されました!

2018.11.16

雲南省の毛王洞(マオワンドン)村と螺線管村(ラオシャンガン)村は、1950年代にできたハンセン病定着村で、毛王洞村には老若男女21家族96名が住んでいます。一方で螺線管村には男性11名、女性9名の計20人しか住んでいないのですが、平均年齢は70才以上と高齢で半数の人は脚が不自由です。これらの村の村民が健康で安全に生活が出来るように、当財団は、中国のハンセン病回復者支援団体であるHANDA(ハンダ:広東省漢達康福協会)(注1)を通して、2017年後半から2018年前半にかけて衛生教育ならびに衛生環境整備等を行いました。

まず、毛王洞村では主に女性と子供を対象に衛生教育が行われました。以前、この村では教育水準の低さから健康に関する意識が低く、特に女性たちは自分自身を清潔にする知識やシャワーを浴びて毎日して身体をきれいに保つという意識がないため、95%が婦人科の病気を持っていました。今回、多くの村民が衛生教育を受けることにより、意識が高くなり病気を防ぐことができるようになりました。また子供たちへの公衆衛生教育によって子供たちは将来的にも健康を維持することが可能となりました。

次に、毛王洞村内の二つの集落をつなぐ道路の修復・舗装が行われました。道幅3メートル、長さ500メートルの道路を全21家族が助け合って修復、舗装しました。これまでは雨が降ると道がぬかるみ、人のみならず家畜さえも通行ができませんでしたが、現在は舗装され村の人々の安全が確保されるようになりました。

さらに、毛王洞村にて、11の浴室設置工事が行われました。これまでこの村では浴室がある家はなく、薪を焚いてお湯を沸かし、そのお湯で身体を洗っていましたが、今回太陽光熱発電によりすぐに温水が出るようにソーラーパネル付きの浴室が設置されました。これにより村民はいつでもシャワーを浴びることが出来るようになり、身体を清潔に保てるようになりました。

螺線管(ラオシャンガン)村では環境整備を行いました。螺線管村は高齢者が多いため、まず高齢者が安全に暮らせるようにいくつかの坂道やスロープに手すりを設置しました。また、皆が毎日顔を合わせて談笑できる場所を設置して、椅子とテーブルを置きました。

注1:

HANDA(Guangdong HANDA Rehabilitation and Welfare Association:広東省漢達康福協会)は1996年に設立された中国の広西省、広東省、雲南省で活動しているハンセン病回復者支援団体です。回復者の経済自立支援、回復者やその子どもたちの初等教育から高等教育までの教育支援、生活環境向上、職業訓練、啓発冊子の制作まで、幅広い活動を行い、5000人強の回復者やその家族たちを毎年支援しています。

HANDAのホームページ: http://www.handa-idea.org/