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ハンセン病の歴史と共生社会への学び‐長島愛生園宿泊体験ツアー

2025年、笹川保健財団は新たな学生研修としてハンセン病療養所での宿泊体験ツアーを試行しました。と申しても、かつてハンセン病を罹患され、その後遺症が故に療養所で生活されている方々と同じお部屋に宿泊するのではありません。

今回は、国立療養所長島愛生園に、2023年4月に開設された宿泊研修のための社会交流会館(愛称:むつみ交流館)に2泊3日で合宿し、園内各所を見学し往時の厳しい隔離生活ぶりや現在の日々を追視すること、数十年を療養所に暮らされた語り部のお話をうかがうこと、療養所園長や笹川保健財団スタッフでもある学芸員各氏の解説をうかがったり、見学時に案内説明いただいたり、そして参加者がいくつかの設問を議論し、その経過や結果を発表すること・・・です。

この研修宿泊所は立派な宿泊施設ではありますが、あくまで研修のための宿泊所なので、ちょっと窮屈ではあります。食堂はありますが、まさに食べるための場所であって、豊富とはいわないまでも職員食堂や学食レベルのメニュ―がそろっているのでもありません。ですから、三度三度の食事は、外部で購入した食事を持ち込むか設置されているキッチンで自炊することになります。自炊も楽しい・・・ことはありますが、主体の研修の傍ら材料を仕入れて調理して食べて後始末、はちょっと時間的に無理、結局、外のスーパーで各種お弁当やサンドイッチおにぎりを買い求めて持ち込むことになりましたが、それはそれでよい経験でした。

最新の国立療養所長島愛生園概況書
中尾自治会長 夕食に参加し、学生と長~い経過や思いをご披露くださいました
研修の様子

大小研修室はとても充実していますが、学校の教室と同じ、より少し厳しい・・・研修室での食事、食べることはダメ、飲物はよろしい・・・という次第。お風呂もありますが、寝巻パジャマはもちろん、石鹸の類やタオルも持参、ただし清潔なシーツ上下と枕カバーはお借りできます。前述のように、研修では園全体の見学が可能であり、歴史や現状は学芸員、そして当事者である元ハンセン病患者の語り部がお話し下さいますので、勉強するには文句はありません。

今回、夏期休暇の活用を思い立ったのは5月でした。少しわたくし的想いもありますが、たまたま対話する機会があった数名の学生諸氏が、ハンセン病に関する差別や偏見に関して、とてもとても真摯な言葉を続出され、日々、その問題で働いているはずの私も、改めて、意識を高めました。そして先に小欄に報告した「ささかわ未来塾」を運営していたこともあって、ハンセン病療養所での学生合宿を企画してみたい・・・と、相当、思い付き的な事業を提案しました。

石田自治会事務局長 語り部としてお話下さいました

担当者は大変だったと思いますが、参加者を募りましたら、真剣なそして既に何らかの活動に関与されてきた経過を含めた参加動機を記載された志願書が続々とまいりました。それに勇気づけられて、あくまで試行的ではありますが、2泊3日の研修を実践に踏み切りました。

これもいずれ報告書を作り財団ホームページにてご報告しますが、「みらい塾」同様、ピカピカの若者が集まって下さいました。このような真面目で行動的で、きちんと勉強している若者がいる限り、この国の未来は明るくなくてはならない、と思いました。

夕陽の中を散策する参加者
愛生園からの夕陽