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中国 Joy In Action ハンセン病当事者支援団体基盤強化〜2020年度活動報告⑥

中国では新たにハンセン病に罹患する人は少ないものの、600か所以上のハンセン病回復村に2万人の回復者が生活しているといわれています。その多くは高齢で、家族との交流もなく、人里離れた山奥や孤島に身を寄せ合って、政府から支給される年金でひっそりと暮らしています。地域によっては十分な年金をもらうことができず、貧しい生活を強いられている人たちも少なくありません。

このような村に学生ボランティアたちが寝泊まりし、村人たちと交流を深めながら、村のインフラ整備など行う滞在型ボランティアを実施している団体がJoy In Action (以下、JIA)です。JIAは中国語で「家」という意味です。ボランティアたちは1~3週間程度、村人の家にキャンプ(滞在)し、家族のように寝食を共にし、交流を深めながらワーク(労働)する「ワークキャンプ」を通じて、村に住むハンセン病回復者たちとの信頼関係を築いていきます。

2021年夏のワークキャンプの様子、中国華南地方 什瑪村

笹川保健財団は、このワークキャンプ活動が始まった2005年当初から活動を支援してきました。活動開始当初は、日本人の大学生たちがボランティアで参加していたため、それまでハンセン病を恐れて村に近づこうとしなかった周辺地域の人々が「珍しい外国人見たさ」で回復村にやってくることもありました。そして回復者と日本人の学生たちが共に生活している姿を目の当たりにし、ハンセン病に対する考えを少しずつ改め、村と交流をもつきっかけとなっていきました。

この活動は徐々に広まっていき、当財団が支援してきた15年あまりで中国華南地方の80か所の回復村での活動に、2万人のボランティアが参加するまでになりました。そして今では、活動のすべてを中国人スタッフと中国人学生ボランティアが実施しています。

多くのNGOにとって活動資金を集めるのは大変なことですが、JIAでは、大学在学中にワークキャンプに参加した卒業生たちによるバックアップチームが精力的にファンドレイジング活動を行い、現役大学生メンバーによるワークキャンプ活動を支えています。2019から2021年度の3年間は、基盤が安定化してきたJIAが、さらに資金調達力を強化し、財団からの支援卒業を目指して事業展開を行っており、2020年度はその2年目になります。

2020年は新型コロナウィルスの蔓延のため、中国でも厳しい規制が敷かれ、大学が休校になるなど多くの活動が制限されました。 そのような状況下で、予定していた多くのチャリティイベントは中止または変更を余儀なくされましたが、広州市、南寧市では、普段は社会人として活躍するバックアップチームのメンバーが、医師や弁護士といった職業を活かした有料のオンラインセミナーを実施し、その収益をJIAに寄付するという新たな取り組みを始めました。


医師や弁護士の卒業生メンバーによるオンライン講座のチラシ

また、各地域のバックアップチームメンバーがそれぞれの地域で進学や就職に関するオンライン相談会を実施し、その場でJIAのマンスリーサポーター(月額定額の寄付会員)への勧誘を行うなどの活動を通じて、新たに90人の支援者獲得にも成功しました。

卒業生たちは、自らがワークキャンプを通じ、かけがえのない経験ができたからこそ、後輩たちにも自信をもってその魅力を伝え、活動を支え、村人とのつながりを大切にし続けています。そしてその姿は、彼らの周囲の人たちがハンセン病への偏見を正すことにつながっています。