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インドネシアでハンセン病回復者の子どもたちに教育支援を行っています

インドネシアは2000年に国レベルでハンセン病の制圧(人口1万人当たり患者数が1人未満となること)を達成しているものの、毎年約1万7千人の新たな患者が出ており、世界で3番目にハンセン病患者の多い国です。この国では、ハンセン病回復者の多くは一般社会で暮らしているものの、社会における差別や偏見は依然として根強く、回復者とその子どもたちの多くは、教育を十分に受けられないことから職に就けず、貧困から抜け出すことができません。
インドネシアでは、公立の小・中学校へは無料で行けるのですが制服や文房具などの支給はありません。そのため、貧しさゆえに必要な物が買えず、多くのハンセン病回復者の子どもたちは継続して学校へ行くことができません。

奨学金を受けた中学生の男の子とその母親です。
奨学金を受けた中学生の男の子とその母親です。

このような状況を踏まえて、当財団は、2017年から2019年の2年間かけてインドネシアの東ジャワ州、南スラウェシ州、南スマトラ州、東ヌサ・トゥンガラ州の4州で合計314名の小中学生への教育支援を現地の回復者支援団体であるPerMaTa(ペルマータ)(注)1を通して行っています。具体的には、学校で必要な物品を購入するために290名の小学生に一人当たり100万ルピア(日本円で約7,500円)を、24名の中学生に150万ルピア(日本円で約11,300円)の奨学金をPermataの4州26支部を通して付与しています。
これまでの1年間で小学生140名、中学生10名の合計150名への奨学金が支給され、その生徒たちの名簿が送られてきました。今回支援を受けた子供たちは、学校で使用する物が買えるようになり、積極的に継続して学校へ行くことが出来るようになりました。

奨学金を受けた子どもの両親と祖父です

ただし、インドネシアは広く、そしてハンセン病患者・回復者が数多いため、まだまだハンセン病患者・回復者の子どもたちへの支援が行き届いているわけではありません。今後1年間でさらに小学生150名、中学生14名へ奨学金が支給される予定です。

注1:回復者支援団体PerMaTa(ペルマータ):Perhimpunan Mandiri Kustaは、2007 年2月に広大な国土に住む回復者とその家族の連携と団結のプラットフォームとして誕生し、現在東ジャワ州、南スラウェシ州、南スマトラ州、東ヌサ・トゥンガラ州の4州において総勢3,700名のメンバーを擁するまでに拡大してきました。昨今は新リーダーシップの下で新たに政府と連携した活動を行ったり、活動地を拡げる試みがなされたりしています