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106号大使メッセージ: “Don’t Forget Leprosy”~ハンセン病を忘れないで~ 第3回 ハンセン病制圧にかける私の想い

ムルプラ市のヘルスポストで薬の飲み方を教える(モザンビーク、 2006年 8月)

WHOが毎年出している「世界ハンセン病概況」によると、2020年の新規患者数は12万7,396人、これは前年度比37%減である。しかし、私にとって、これは決して喜ばしいことではない。コロナウィルスの蔓延により、多くの国でハンセン病対策活動が中断・遅延し、新規患者発見活動を十分に行えなかったことが主な原因と考えられるからだ。

私はWHOハンセン病制圧大使として、これまで120か国以上訪問し、各国の大統領や首相らに、ハンセン病問題の重要性を直接訴えてきた。ハンセン病対策を前進させるためには、国のトップの考えを変えることが一番の近道であると考えたからだ。その結果、多くの国が公衆衛生上の問題としてのハンセン病制圧を達成したが、依然さらなる努力が必要であることも事実である。

私はハンセン病ほど特殊な疾病はないと考えている。ハンセン病は病気としての治療が終わっても、患者に対する社会からの差別が根強く存在するため、患者の視点からみれば、それは完治したことにならない。当事者に対するこうした差別は古来から存在していたことを考えれば、ハンセン病をなくすことは、人類にとって悲願と位置づけるべきである。

私が大使就任20周年を機に、Don’t forget leprosyキャンペーンを立ち上げた理由はここにある。現在、世界中のハンセン病回復者団体、NGO、政府・関係機関らに対し、キャンペーンへの参加を呼びかけている。世界の様々な立場の人たちが私たちと問題意識を共有し、ハンセン病との戦いへ共に参加してくれることを心より願う。

WHOハンセン病制圧大使
笹川陽平

Leprosy Bulletin 106号