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社会的処方②~子どもの居場所を利用した炊き出し~

在宅看護ネットワークのメンバーで、沖縄県南城市に訪問看護事務所「ケアサイクルの駅 訪問看護レインボー」を開業した金城氏が、社会的処方の試みとして、2月6日(日)に南城市中央公民館で「子どもの居場所を利用した炊き出し」を実施しました。(社会的処方①~男の料理教室~はコチラから)

なぜ子どもの居場所を利用した炊き出し大会

開催者の金城氏は、訪問看護事業を運営する傍ら、子ども食堂を週に3回開催しています。子どもの貧困の喫緊の課題は、現在困っている子どもを救うことですが、それに加え、子ども達が大人になったときに自立した社会生活を送れるよう支援することも重要と金城氏は考えました。子どもは支援を受けるだけではなく、社会性を持つ機会を与えられること、知識を得ること、自分が他者から認めてもらえ、また自分自身をも認めることができること等の支援が必要であると考えました。そこで今回、社会的処方の一環として「栄養のある食事を作ってみんなで食べよう!炊き出し大会」を開催しました。炊き出し大会では、子ども達が栄養があるお弁当を作り、食に困っている世帯、安否確認が必要な世帯などに配布しました。

炊き出し大会の流れ

①食べたいお弁当を子ども達と企画する
②栄養士にアドバイスを受ける
③調理が得意な支援者に協力を要請し、お弁当作りを行う(弁当は50食程度で、3時間以内に作れるものから始める。回を重ね、必要量が増えた場合には、支援者を募る)
④配布場所の選定は、支援者が行う。選定ポイント:食に困っている世帯、安否確認が必要な世帯など。原則子ども達が配達に行ける場所とし、子ども達と支援者で配達する。困難な場合は、情報提供者または支援者が配布し、反応を記録する
⑤支援者は、当日のうちに振り返りを行い、後日子ども達とともに振り返りとフィードバックをする
⑥①から⑤を一定期間で繰り返す

炊き出し大会開催の様子

当日は、幼児2名、小学生4名、中学生3名、大人9名が参加し、お弁当50食を作り配布しました。スタッフが少し声かけるだけで、子ども達は自発的に自分の役割を見つけ、他のテーブルの手伝いをする姿も見られました。お弁当を届ける際には、初めて会う地域の方々に自分から挨拶をし、誇らしげに作りたてのお弁当を配っていました。

参加した子ども達からは、「楽しかった!またやりたい!」「次は何作るの?」と次回の開催を楽しみにする声が聞かれました。

お弁当を受け取った方からも「とても嬉しい。毎週やってほしい」「子ども達の方が料理が上手なんじゃない?」といった声が聞かれました。

社会的処方とは

病気やけがをすると処方箋が出されるように、社会とつながる機会を処方する(紹介する)ことが「社会的処方」と言われています。社会的孤立は、喫煙、高血圧、肥満よりも健康寿命に影響することが指摘されており1)、薬の代わりに、社会的な「つながり」を処方し、その人に生き甲斐や社会参加の機会などが生まれることで生活の中の困りごとを解決していくことを目指すものです。

1)1.Julianne Holt-Lunstad ,Timothy B. Smith ,J. Bradley Layton(2010).Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review.PLOS Medicine,https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1000316