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小児から高齢者まで在宅で自分らしく暮らす

本記事は、笹川保健財団が実施する「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業研修を受講後に熊本県菊池郡で開業した濱崎英美氏の事業所「訪問看護ひたむき」の紹介です。

がん看護と在宅看取りに強い看護師が集まった

ひたむきの特徴はがん看護と在宅看取りに強く、医療的ケア児や医療依存度の高い重症な利用者さんを受け入れており、また新規依頼があればすぐに対応するところだと思います。スタッフは私を含めて3人です。

リクルートは前職の病院のホスピス病棟で一緒に働いていた人たちであり、力量や人間性はわかっていたので、声を掛けました。事業所は町のメイン通りに面した4F建てのビルの最上階にあり、周りに高い建物がないので窓から南阿蘇が一望でき、明るくて日当たりもよく、いい風が入ってきます。

いつも通りの生活が出来るように支えたい

在宅看取りをする際に注意している点は、本人と家族の気がかりや不安、介護疲れに対処することです。いくら本人が家で死にたいと言っても、それを支える家族が倒れたらその願いは叶いません。また、本人や家族にこれまでの人生を振り返ってもらえるような声かけをすることも大切です。このことをナラティブアプローチと言います。

その時その時の本人の小さな希望が叶えられるようなケアを行い、どんな時も、いつも通りの生活が出来るように支えたいと思っています。注意点としては、医師の指示より本人の希望が優先されると常に思って働いています。 私達医療者は本人の人生の一端にお邪魔するだけで管理することは出来ないのですから。

やりがいを持って働いてもらいたい

やりがいを持って働けるように心掛けていることは、スタッフの良いところ、良いケア、強みを見つけたら、タイムリーに褒めたり、利用者や家族からお褒めの言葉を聞いたらすぐに知らせています。また、忙しかった月はみんなで高級弁当を事業所で食べたり、スタッフのお誕生日や好きなものは把握していて、ちょっとしたサプライズをしたりしています。

辞めない工夫は、休み希望は必ず叶え、夜間出動した次の日は出勤時間を遅くします。また、スタッフからの相談にはどんなに忙しくても時間をかけて話を聞くように心掛けています。

小児訪問が増えている

以前ICUで働いており、気管切開や人工呼吸器を装着した小児看護の経験があったことや、緩和ケア認定看護師だからなのか、小児緩和ケア(予後不良な医療的ケア児)の依頼が増えています。また熊本県で、超重症児(スコア25点以上)を受ける訪問看護事業所がとても少なく、ひたむきの特有の価値だと考えています。

今後の展望

病気や障害があっても、最期の日まで病院ではなく自宅で過ごせる、ということを知ってもらいたいと考えています。

訪問看護ひたむきを多くの方に利用してもらうために、スタッフを増やして大型事業所にし、熊本県のあらゆる地域にひたむきを作りたいです。そして、余裕が出来たら次の新しい事業(人材育成とか)や誰かの夢を応援する仕事をしたいと思います。

熊本県菊池郡菊陽町について

菊陽町は熊本県の北東部に位置し、東には阿蘇の連山が眺望できます。白川の豊かな水と肥沃な土壌に恵まれ、「菊陽にんじん」が特産品です。人口は約43000人という小さな町ですが、熊本市のベッドタウンであり、ずっと人口が増え続けている国内でも珍しい地域です。

人口増加率は全国第4位の5.8%であり、隣接している合志市、大津町、嘉島町も人口増加エリアです。(全て訪問地域です)町には熊本空港や国道57号線(菊陽バイパス)、県内でも人気のエリア光の森があり、企業誘致も盛んです。ソニー、富士フイルムの工場があり、今年、半導体製造の世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)が工場を新設します。

菊陽町には、加藤清正が400年前に、城の修繕用と伐採による敵兵の進軍防止を目的として整備した「豊後街道菊陽杉並木」があります。現在は豊後街道を東西に約11km残っています。また、清正が治水事業として作った「鼻ぐり井手」もあり、特別な構造の用水路で町の文化財です。

一般社団法人ひたむき

法人名:一般社団法人ひたむき
事業所名:訪問看護ひたむき
住所:〒869-1101 熊本県菊池郡菊陽町大字津久礼2268-38菊陽ビル401号室
電話:096-285-5712
管理者:濱崎英美(「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業研修 5期修了者)
メール:info@hitamuki-nurse.com
HP:http://hp.kaipoke.biz/b24/