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ハンセン病「制圧」へのシナリオ I

1980年代初めに多剤併用療法(MDT)が確立したことを受け、1990年代初めからの15年間、世界の各地域で「ハンセン病制圧」への取り組みが政府と国際機関とNGOを巻き込んで展開されました。その結果、世界の年間の新規患者数は24万人前後まで減少しました(2012年)。現在、世界の患者数上位3か国はインド13万4752人、ブラジル3万3303人、インドネシア1万8994人(年間新患数)となっています。
2013年は、ハンセン病「制圧」のための新しい到達目標が合意されました(バンコク宣言参照)。

2020年までに、「診断時にすでに障がいを持つ人」の割合を、人口100万人あたり一人未満に減少させる。

これは障害発生を未然に防ぐことに重点を置く目標設定で、つまるところ、早期発見と早期治療を最重点に掲げるものです。しかし早期診断、早期治療は、実は言うは易く行うは難し。全世界で24万人、という数字は感染症としては少ない数字で、大規模な患者発見活動などは、予算的人的制約で行われることは極めて少なくなっています。専門医も少なくなり、地域の保健所などでは早期の症状を診断できる医師がいないのが現状です。
この現状にチャレンジしようという試みが注目を集めています。ハンセン病「制圧」へのシナリオⅡで、2つの取り組みをご紹介します。