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【WHOハンセン病制圧大使ニュースレター115号】大使メッセージ:ハンセン病問題のない世界にむけ結束するリーダー

フォルカー・テュルク国連人権高等弁務官(右)と笹川陽平WHOハンセン病制圧大使(左)、スイス、2023年

5月22日~26日にかけて、第76回世界保健総会に出席した。昨年は一部の活動がまだオンラインで行われていたが、今年はコロナの影響を全く感じることはなかった。総会期間中は、例年どおりハンセン病蔓延国を中心に各国の保健大臣らと積極的に会談を行い、ハンセン病問題に重点的に取り組むよう申し入れ、「ハンセン病を忘れないで」キャンペーンへの協力を求めた。テドロスWHO事務局長をはじめ、面談した国の数は17か国 (アンゴラ、コモロ、コートジボワール、エチオピア、マダガスカル、南スーダン、エジプト、パキスタン、ブラジル、バングラデッシュ、インド、インドネシア、ネパール、スリランカ、キリバス、マーシャル諸島) にのぼった。また、ターク国連人権高等弁務官とは、ハンセン病回復者とその家族に対する深刻な偏見差別の問題は日常的であり、世界では数千万の人々が被害にあっていることを説明し、善処を求めた。

今回各国の関係者との話し合いを通じて実感したことは、コロナ禍において停滞していたハンセン病対策活動が各地で再開の兆しを見せ、大使としての私の蔓延国訪問が再開できる目途がたったことである。新政権が誕生したブラジルを初め、私がまだ訪問していないパキスタンなど、多くの国から私の早期訪問について要請があったことは、大変ありがたいことであった。「現場に問題点と答えがある」というのが私の信念であるので、ハンセン病対策の最前線を直接視察する機会を持つことは、私にとって最も重要な活動である。WHOが掲げる「ハンセン病ゼロ」という目標の実現に向けて、私は新たな気持ちで現場を訪れ、目に見える成果が上がるよう活動していきたい。

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平