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「みらい塾」九州スタディツアー in 長崎 開催報告

笹川保健財団では、「日本財団在宅看護センターネットワーク」の実践的看護職研修と、「Sasakawa看護フェロー」という将来のリーダー養成研修に続く、三つ目の人材育成事業として、新たに保健系大学生を対象とした「みらい塾」をスタートしました。
初回となる今年度は、8月28日から5日間にわたって、長崎で「健康と人間の安全保障」をテーマに開催しました。このスタディツアーでは、わが国の医学と保健衛生の歴史や国際保健、社会的課題やそれらの健康への影響について学び、それが現代社会に及ぼす影響を考える貴重な機会となりました。参加者は、自ら問題に気づき、どのような行動を取るべきかを考えました。

1日目は、李節子先生が在日外国人の健康支援について講義し、参加者は健康権と人権についての深い知識を得ました。また、因京子先生のグループワークでは、自分の立場をWHOの代表や自治体首長に置き換えて、李先生の講義をもとにした課題や将来の健康への懸念についてグループで議論し、それぞれの提案を発表しました。

1日目講義①
喜多会長のイントロダクション
1日目講義②
李先生の講義
1日目講義③
因先生のグループワーク

2日目は、大津留先生から放射線災害と健康影響に関する講義が行われ、それに基づいて緑川先生が原発事故後の健康調査を例に、意思決定支援や過剰診断についてグループワークを行いました。午後は、長崎原爆資料館や平和公園などを見学し、平和と安全、健康に関する貴重な教訓を得ることができました。

2日目講義
大津留先生、緑川先生の講義
2日目グループワーク
グループワークの様子
2日目原爆資料館
長崎原爆資料館
2日目平和公園
平和公園

3日目は、長崎大学で、永田教授をはじめ長崎大学の先生方により、地域医療のワークショップ、アフリカでの保健医療活動、グローバルヘルスに関する講義が行われ、学生たちはさまざまな視点から考え、意見を交換しました。また、大学敷地内にある熱帯医学ミュージアムや長崎原爆遺構を見学し、多くの知識を得ました。

3日目講義①
永田康浩先生の講義
3日目講義②
山本太郎先生の講義
3日目講義③
杉本尊史先生の講義
3日目講義④
有吉紅也先生の講義

4日目は、フィールドワークとして、軍艦島周遊ツアーや長崎歴史文化博物館などを見学しました。軍艦島への上陸はできませんでしたが、船上からの周遊とデジタルミュージアムの見学により、日本の近代化の礎となった産業遺産に触れることができました。

4日目軍艦島
軍艦島周遊ツアー
4日目長崎歴史文化博物館
長崎歴史文化博物館

最終日には、各グループでテーマを定めて発表を行い、5日間の研修を終えました。今回、初めてとなる「みらい塾」は、学生たちにとって非常に有益で価値ある経験となり、未来への情熱と行動力を高める一助となりました。

5日目グループワーク①
グループごとの発表
5日目グループワーク②
意見交換
5日目集合写真
12名の学生らが参加

この「みらい塾」の経験が、参加者に強い印象を与え、新たな視点をもたらし、問題解決力と社会への貢献意欲を高める機会となりました。最後に、講師の先生方と長崎大学のご協力に感謝の意を表します。

以下、参加者から寄せられた感想をご紹介します。

・充実した5日間を過ごすことができました。多くのことを学ぶことができ、とても楽しかったです。ありがとうございました。これで終わりではなく、しっかり振り返りをして今後の学生生活、未来に生かしていきたいです。

・参加前に聞いてみたかった講義を聞くことができ、長崎で見学したかったこともできたのでとても充実した5日間を過ごすことが出来ました。今回の学びを元に行動に移せるよう努力していきます。

・みらい塾に参加する機会を頂き、学生最後の夏季休業が非常に学びの多いものとなりました。今回、様々なバックグラウンドを持つ方とグループディスカッションをし、新たな気付きを得たことは、今後の実習や入職後にも非常に役立つと思っております。

・コロナ禍で自ら行動することが難しかったので今回色々な方と関わることができて良い経験になりました。

・講義だけでなく皆さんとお話しする中で学ぶことも多く、とても楽しく実りの多い5日間でした。

・長崎での学びは今後の私の人生において重要なターニングポイントの一つとなる研修でした。