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WHOハンセン病制圧大使がバングラデシュのハシナ首相と面談

笹川ハンセン病イニシアチブは「ハンセン病ゼロ」の実現に向けての活動を推進するため、9月4日-5日にバングラデシュを訪問しました。WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平氏は、ハシナ首相をはじめ、保健・家族福祉大臣、外務省次官と面談し、第2回バングラデシュハンセン病全国会議の開催への協力を要請しました。

バングラデシュは1998年に国レベルでのハンセン病の制圧目標(人口1万人当たりの登録患者数が1人未満)を達成しましたが、今でも毎年約3千人の新規患者が確認されているハンセン病蔓延国のひとつです。2019年にハシナ首相出席の下、バングラデシュハンセン病全国会議が開催され、「2030年までにバングラデシュからハンセン病をゼロにする」という宣言がされ、これまで目標達成にむけて啓発活動や患者発見活動、障害者支援、就学支援等が行われました。コロナ流行のため、縮小された診断活動により減少した新規患者数も、2022年より回復傾向がみられています。

9月5日にバングラデシュ首相府で行われた面談では、初めにWHOハンセン病制圧大使より、ハシナ首相の2019年のハンセン病全国会議への出席と、感動的なスピーチへのお礼、そしてそれがハンセン病問題を抱える国々の多くの指導者に影響を与えたことが伝えられました。

また、大使は、「この3年はコロナの影響もあり、世界的にハンセン病の制圧活動が停滞していました。ご承知の通り、ハンセン病は医学的な病気であるのみならず、旧約聖書の時代から厳しい偏見と差別を伴う病気でもあります。ハンセン病の患者、回復者その家族を含めると世界中で数千万人の人々が声を上げることなく、沈黙の中で厳しい生活をしている現状があります。バングラデシュでハンセン病の全国会議を再び開催し、バングラデシュはもとより世界のハンセン病に苦しむ人々の為に、是非、閣下に会議にご臨席賜りたい」とハシナ首相に訴えました。

ハシナ首相は、首相に就任する前からハンセン病患者150人に無料で家や食事、医療サービスを提供するなど、ハンセン病に対する高い関心を示してきました。また、首相就任後もハンセン病問題を憂慮し、多岐にわたる活動を展開しています。

ハシナ首相は、「我が国では、様々なハンセン病制圧に向けた施策と活動が行われていますが、依然としてハンセン病患者、回復者やその家族に対する偏見・差別が存在しています。全国規模の会議を開催することは、このような偏見・差別に対する啓発活動としても非常に有効であると考えています。個人としては、その会議に出席したいと考えています」と述べました。

笹川ハンセン病イニシアチブでは、WHOハンセン病制圧大使のリーダーシップの下、今後バングラデシュ政府関係者と緊密に連絡を取り、バングラデシュハンセン病全国会議の開催に向け調整を進めてまいります。

ハシナ首相と「ハンセン病を忘れないで」のフラッグと共に(2023年9月5日、バングラデシュ首相府にて)