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看護フェローからの現地レポートその②

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の博士課程に留学中の鈴木はるのさんから、現地のレポートが届きました。楽しんで学んでいる様子をぜひご覧ください。

大学院PhD1年生対象のwelcome dinner
大学院PhD1年生対象のwelcome dinnerで、PhDの同級生たちと。

渡米して約2ヶ月が経ちました。講義の課題が毎週沢山出て大変ですが、渡米前に学びたいと思っていた研究方法論を体系的に学ぶことができて楽しいです。秋学期の講義では哲学、質的研究法、疫学、生物統計学を学んでいます。論文の批判的吟味の方法やscientific writingを基礎から学び直しています。

米国では人種差別や健康格差に関する研究が盛んで、アメリカのヘルスケアにおける社会的課題について深く考える講義が多いです。多様な人種で構成される米国社会の中で、アジア人である自分の価値観や当たり前だと思っていた文化を俯瞰的に捉え、西洋文化と比較することで東アジア圏の文化的特徴を再発見しています。
UCSFでは生物統計学や疫学、社会学などの他分野の講義やSchool of Medicineなど他学部の講義を受講できます。UC BerkeleyやStanfordが地理的に近いのでこれらの大学の講義も履修可能で、他大学のラボとコラボレーションすることも可能だそうです。multidisciplinaryな研究がしたいと思っていた自分にとって理想的な環境です。自ら積極的に行動を起こして情報収集とネットワーキングを行い、自分の関心分野にあった講義をtailor-madeすることで、PhDの間に色々な経験ができることがわかってきました。

UCSFのPhD Nursingには、PhD2年目から開始されるresearch residencyという制度があり、研究実習のような形で今のadvisorとは異なるラボで研究経験を積むことができます。こちらのoppotunityもとても楽しみです。

アメリカでの看護師の社会的地位の高さを日々肌で感じています。将来はPhD修了後にアメリカでnurse scientistとして働くのも素敵だと思い始めています。学費や生活費を捻出するためにTAや看護師の仕事を続けるクラスメイトが多い中、本フェローシップ制度のおかげで学業一本で集中してコースワークに取り組むことができています。Sasakawa 看護フェローシッププログラムに心から感謝申し上げます。

UCSF Parnassus campus School of Nursing の前で
UCSF Parnassus campus School of Nursing の前で。
UCSF Mission Bay campus とUCSF Medical center。UCSF Mission Bay
UCSF Mission Bay campus とUCSF Medical center。UCSF Mission Bay campusの中には多額の寄付により建てられた研究所や病院施設があります。
"Difference is Power” "Healthcare for all"
School of Nursingの建物の中に”Difference is Power” “Healthcare for all” と書かれた絵があります。様々な人種の看護師のリーダーによる、アメリカの健康格差改善への貢献に敬意を表すために作成されたそうです。