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【WHOハンセン病制圧大使ニュースレター119号】ハンセン病ゼロの実現に全力を尽くす

笹川陽平WHOハンセン病制圧大使は、アフリカの最高峰キリマンジャロ(5,685m)登頂に成功、「Don’t Forget Leprosy(ハンセン病を忘れないで)」のバナーを掲げた

毎年「世界ハンセン病の日」に合わせて発信している「ハンセン病患者・回復者に対する差別を撤廃するためのグローバル・アピール」は19回目を迎え、今年はWHOからの賛同を得て、その本部があるジュネーブから発信した。プログラムの一環として行われた、テドロス事務局長と私の対談の中で、同氏は「ハンセン病ゼロに向けて私たちが行うべきことは『WHO世界ハンセン病戦略2021-2030』に明記されている。よってWHOは、各国がこれを適切に実施することを全力で支援していきたい。」と強調された。ハンセン病問題は、テドロス事務局長にとって重要課題として位置づけられていることが確認出来、私はハンセン病ゼロの実現に向けて、この上ない勇気と激励をいただいた。

グローバル・アピールの後、私はタンザニアに向かい、アフリカ大陸最高峰であるキリマンジャロ登頂に挑戦した。これは、私が2021年に立ち上げた“Don’t forget leprosy”キャンペーンの一環として、現在も多くのハンセン病患者が発生し、患者・回復者・その家族らが深刻なスティグマや差別に直面しているアフリカ諸国に向けて、ゼロ・レプロシーの実現を呼びかけることを目的としていた。頂上までの道のりは困難を極めたが、登頂開始から6日目の2月12日に、ついに標高5685mの頂上で“Don’t forget leprosy”のバナーを掲げることができた。後で分かったことであるが、85歳でかつ心臓にペースメーカを入れている一級障害者である私の登頂は、最年長記録にあたるようなので、現在ギネスブックへの申請を検討している。

今回のジュネーブからキリマンジャロに至る一連の活動の中で、私はハンセン病ゼロの実現に向けて、残された人生のすべてを捧げる覚悟を新たにした。これを読んでいる関係者の皆様すべてから協力を賜れれば幸いに思う。

WHOハンセン病制圧大使 笹川陽平