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Sasakawa看護フェロー夏のフィールド視察研修に行ってきました

Sasakawa看護フェロー活動の一環として毎年実施している地域フィールド視察研修。

日本の社会問題、保健医療問題に取り組むリーダーを目指すSasakawa看護フェローたちが、日本財団在宅看護センターを訪ね、同行訪問や意見交換を通じて地域医療やその地域の社会課題について学んだり、国立ハンセン病療養所・資料館等を訪問することで、日本のハンセン病の歴史から公衆衛生や、差別偏見の問題について考察する機会としています。

今夏は8月5日~6日、1泊2日で、留学を控えたフェロー、準備中・一時帰国中のフェローにアルムナイも加わり、それぞれの立場から現場を視察し、フェロー同士、また訪問先の関係者らと活発に意見交換を行いました。

ここで働いてみたい!というフェローもいたほど、働きやすい環境を意識して作られたLife&Com藤沢事業所の前で。前列中央が管理者の柳澤さん。看護の仕事が大好きという実践家でありつつ、経営者としてスタッフの教育にも力を入れている。

初日に訪れたのは日本財団在宅看護センターネットワークの仲間である、柳澤優子さんが管理・運営するLife&Com藤沢です。

Life&Comは神奈川県藤沢市で2つの事業所、2つのサテライトを展開する在宅看護センターで、参加したフェローたちは3つのグループに分かれ、利用者さんのお宅へ同行訪問させていただき、再び合流してからそれぞれの訪問の振り返りを共有しました。

フェローたちからは、地域が抱える課題への考察や、Life&Comが実践する「看護師になって良かったと思える職場づくり」の取り組みへの称賛の声が聞かれ、地域の人々が自分らしく生きることを支援するという面でも、看護師の働き方の面でも訪問・在宅看護の可能性を再認識していました。

Life&Comスタッフとも意見交換するフェローたち

翌日は、静岡県御殿場市にあるハンセン病療養所、国立駿河療養所、同市にある日本で初めてハンセン病患者を受け入れた神山復生病院とその記念館を訪れ、ハンセン病の歴史や、復生病院が現在展開している地域医療について視察しました。

駿河療養所は、戦後ハンセン病の傷痍軍人療養のために作られた療養所で、全国のハンセン病療養所の中で最も新しい施設のため、収益事業としての養豚など、他の療養所では行われなかった取り組みも多くありました。現在の入所者の方は平均年齢87歳超。フェロー研修での療養所訪問は現在もそこで生活する方たちから直接お話を伺う貴重な機会ともなっています。

ピーク時に470人いた入所者の生活を支えるのに職員だけでは不可能だったため、一時は患者作業が多くあったという駿河療養所。患者作業がなくなった後も園内には床屋や風呂屋など跡地が多く残されている(写真は縫工場跡)
左写真中央が小鹿会長
右写真中央が北島所長
森下学芸員から記念館の展示の解説を聞くフェローたち

午後は全国で唯一の私立ハンセン病療養所である神山復生病院を訪問。

記念館でその歴史を学び、同院で献身的に尽くされた岩下神父や井深八重看護師らのお墓をお参りしてきました。

明治時代に開設された建物に作られ、10年ほど前にリニューアルされた神山復生記念館。フランスの調度品や貴重な資料が展示されている。
ハンセン病と診断されて入院したものの、誤診とわかってからも看護師の資格をとり、献身的に患者を支えた井深八重さんのお墓。遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」ヒロインのモデルで知られる。

神山復生病院は、今はハンセン病だけでなく、地域医療のための外来診療、ホスピス事業、小規模多機能型居宅介護事業所、訪問看護ステーションなどを展開しています。フェローたちは、看護部長のご案内で、小多機と訪問看護ステーションを視察させてもらいました。前日の在宅看護センター見学の経験もあわせ、それぞれが地域で看ることの重要性を再認識した研修となりました。

小多機で利用者は特殊な浴槽を使って入浴もできる
移動中のバスの中で。期間中にフェロー同士交流が深められるのもフィールド視察研修の魅力です