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2025年度ハンセン病対策助成事業より:インドネシア保健省による重点5県・市での新規患者発見活動

2025年度ハンセン病対策助成事業として実施された、インドネシア保健省による「重点5県・市における新規患者発見活動の促進」事業の報告をご紹介します。本事業では、ハンセン病の新規患者が多い5県・市を重点地区に定め、接触者検診や予防内服、家庭単位でのセルフスクリーニング、医療従事者等への研修、啓発活動などを集中的に実施しました。その結果、2026年2月の活動期間中に428人の新規患者を発見するなど、大きな成果につながりました。

今回は、同事業を担当したインドネシア保健省のPrima Yosephine Hutapea氏(元Director for Communicable Diseases)から、WHOハンセン病制圧大使ニュースレターに寄せられた事業報告をもとに、活動の概要と成果、今後の課題についてご紹介します。

REPORT: 早期発見、連携、偏見の軽減を通じたインドネシアにおけるハンセン病制圧の加速

プリマ・ヨセフィン・BT・フタペア博士(M.K.M.)

インドネシア保健省 感染症局長
(当時)

プリマ局長は医師としての専門性に加え、公衆衛生の専門家として20年以上にわたり、行政における疾病対策、予防接種、公衆衛生サーベイランスなどの分野で豊富な経験を積んできました。インドネシアの保健システムの強化に取り組むとともに、より強靭で持続可能な公衆衛生体制の構築に尽力しました。

ハンセン病は、今なおインドネシアにおいて継続的な対策を必要とする顧みられない熱帯病の一つです。治療は無料で受けられ、治癒可能であるにもかかわらず、診断の遅れや根強い社会的な偏見が依然として制圧に向けた取り組みの妨げとなっています。こうした課題に対処するため、インドネシア保健省は笹川保健財団と連携し、2026年1月から3月にかけて、5つの重点地域(タンゲラン県、ブカシ県、ブレベス県、サンパン県、ジャヤプラ市)において「ハンセン病制圧加速プログラム」を実施しました。本プログラムは、早期発見と地域社会のエンパワーメントを組み合わせることで、症例発見を大幅に改善できることを示しました。

本プログラムの成果は、積極的な患者発見活動(Active Case Finding)および家族単位でのセルフスクリーニング(Family Self-Screening)の結果に明確に表れています。接触者検診の対象68,733人から、428人の新規ハンセン病患者が確認され、55,752人(81.1%)に対して感染拡大を防ぐための予防内服が実施されました。さらに、対象世帯の96.78%がセルフスクリーニングフォームを返送しており、早期発見を支える地域住民の高い参加意識が示されました。

もう一つの重要な成果は、人材育成の強化です。OJT(実地研修)を通じて、医療従事者502人と地域保健ボランティア386人が、早期発見、診断、紹介、ハンセン病症例管理に関する研修を受けました。この能力構築の取り組みにより、質の高いスクリーニングと患者ケアを提供するための確かな基盤が築かれました。

医療的な介入に加えて、本プログラムでは偏見の軽減にも重点を置きました。2026年の世界ハンセン病の日には、教育啓発キャンペーンの一環としてTikTok短編動画コンテストが開催され、137件の応募のうち84件が品質基準を満たし、3件が受賞作品として選出されました。また、メディアを対象とした啓発記事コンテストには35件の記事が寄せられ、偏見解消をテーマとしたウェビナーには、Zoomで1,000人、YouTubeで100人が参加しました。これらのキャンペーンを通じて、教師、宗教指導者、医療従事者、地域住民の間で、ハンセン病は治癒可能な病気であるというメッセージを広める役割を自分たちが担っているという認識が高まりました。

こうした成果が得られた一方で、偏見による地域住民のスクリーニング参加への抵抗感、予防内服の実施が不十分であること、特にパプア地域における啓発キャンペーン用資材配布のための資金不足など、いくつかの課題も残されています。これらの課題は、ハンセン病の制圧には、効果的な保健医療介入だけでなく、分野横断的な連携、物資の供給・配布体制の強化、そして継続的な公衆啓発が必要であることを示しています。今後、政府、医療専門職、地域ボランティア、NGO、開発パートナーなど、さまざまな関係者が連携し、継続的に取り組んでいくことが、ハンセン病の制圧につながります。こうした取り組みを通じて、誰もが健康で安心して暮らすことのできる、包摂的で差別のない社会の実現が期待されます。

【英語】 REPORT: Accelerating leprosy elimination in Indonesia through early detection, collaboration, and stigma reduction

インドネシア・東ジャワ州サンパン県における積極的・集中的な患者発見活動(2026年2月)
インドネシア・バンテン州タンゲラン県における積極的・集中的な患者発見活動(2026年2月)
インドネシア・西ジャワ州ブカシ県におけるモニタリングおよび評価(2026年2月12日)