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【コロナ対策】訪問看護ステーション自宅療養者対応マニュアル

緊急事態宣言の対象地域も追加され、やむを得ず自宅療養せざるを得ない方に対し、保健所や自治体からの要請を受け、訪問看護ステーションがケアを担わざるを得ないケースも増えてきています。

今後のコロナ対応マニュアル的なものができないか、との考えから、まだまだ事例の少ない訪問看護ステーションによる新型コロナの自宅療養者対応」について、様々な実践例や、3/20に行った高山義浩先生による講演在宅ケアで求められる新型コロナの感染対策を基にまとめたマニュアルを作成いたしました。

※訪問看護ステーションが、新型コロナ陽性の自宅療養者への訪問が必要な際に考慮すべき対応を実践に基づきまとめたものです。科学的根拠がないものも含まれますので、予めご了承ください。

自宅療養者対応マニュアル

1.基本原則

病院と比較し生活空間である自宅は汚染区域が分かり難く、在宅は全てがレッドゾーンになり、感染リスクがかなり高いため、陽性発病者は医療施設で看ることが原則です。それでも対応が必要な場合は「無理をしない、させない、深追いしない、迷ったら退く」を心掛け、以下の点を基本原則とし、注意してください。

  • 電話対応が基本
  • 滞在時間は極力短くし、患者との接触は15分以内に留める
  • PPEを惜しまず使用する
  • 感染リスクは患者発症後10日間までと考える

訪問前に再度、知識の再確認を行ってください。➡高山義浩先生(沖縄県立中部病院 感染症内科 地域ケア科)による講演「在宅ケアで求められる新型コロナの感染対策」はコチラ

2.実践編

電話対応が出来ず、やむを得ず訪問する際は保健所・かかりつけ医等に連絡を取っておきましょう。コロナ対応看護師の決定を行い、本看護師は事業所へは入らず電話やメール等で連絡を取るようにします。

患者さんへは訪問時間を約束しないようにしておき、訪問前に換気、マスクの着用依頼、体温・SpO2・血圧測定等の情報を可能な限り電話で得ておきます。

訪問時は下記の点に注意してください。

  • 玄関から全てレッドゾーン。同居家族=濃厚接触者と考えて接する
  • 換気の徹底!! 玄関を開けてから数分後に入る。玄関は10㎝でもドア開放。ケアを実施する際は扇風機などを用い空気の流れに注意(参考:扇風機を用いた換気)
  • 屋内に物品を持ち込まないようにする。汚染になる為、聴診器も血圧計もなるべく持ち込まず問診+聴診を基本とする。極力メモを取らず記憶に頼る
  • 聴診をしない分、パルスオキシメーターは有用である為、患家にひとつ置いておく。共有なら透明ビニルに入れて使用する
  • PPEは患家で処分。紙1枚、ペン1つ持ち帰らない

3.自宅療養・観察ポイント

表情・外見

  • 顔色が明らかに悪い
  • 唇が紫色になっている
  • いつもと違う、様子がおかしい

息苦しさ等

  • 息が荒くなった(呼吸数20回/分)
  • 急に息苦しくなった
  • 生活をしていて少し動くと息苦しい
  • 胸の痛みがある
  • 横になれない。座らないと息ができない
  • 肩で息をしている
  • 突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた

意識障害など

  • ぼんやりしている(反応が弱い)
  • もうろうとしている(返事がない)
  • 脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする

4.準備編

感染防護具の備蓄と教育

  • 1ヶ月分の保管&在庫管理(マスク・グローブ・・・)
  • 装着順に重ねての備蓄
  • 感染対策の再教育・確認

事務所環境整備

  • 配置変更
  • 換気徹底
  • 共有部分・機材の消毒徹底

勤務体制整備

  • 検温・体調連絡管理
  • 直行直帰
  • Web会議

職員に対する就業制限の考え方はコチラ

利用者・家族への説明

  • 感染対策教育
  • マスク着用・手洗い消毒の徹底の依頼
  • 事前検温&体調連絡の依頼
  • 陽性の場合、状態によっては電話対応
  • 利用者に陽性が出た場合、担当・訪問順序変更の可能性あり

近隣事業所との連携体制

  • 事業停止時の連携体制確保
  • 感染症専門家の確保
  • 医師の対応可否確認
  • 酸素業者との連携
  • 介護事業所への感染対策教育
  • 市町村・保健所の委託事業の有無
  • 医師の特別指示

ご意見・ご質問

①保健所が手いっぱいである場合、かかりつけ医が訪問診療できない(しない)場合はどのようにしたら良いでしょうか?

地域によって異なりますが、コロナ対応が可能な医師や医療機関のリストが市区町村や医師会のホームページに公開されている場合があります。ご自身の地域の情報をご確認ください。

②感染対策はいつまで実施するべきでしょうか?

発症後10~14日間は感染リスクがあるとされています。その為、感染対応策は陰性が確認されるか、発症後最低10日間は対策を徹底して対応すべきと考えています。

③-1 資料では玄関からレッドゾーンとあるが、玄関をグリーンゾーンやイエローゾーンとするという話も聞いたがどちらが妥当でしょうか?

③-2 1Kなどの狭いアパートなどは、玄関からすべてがレッドゾーンとなりますが、5LDKなどの広い家ではすべてをレッドゾーンにする必要はないのではないでしょうか?

同居する家族全員が濃厚接触者との考えから、訪問する医療従事者は、「玄関からレッドゾーン」と意識して対応するべきと考えます。しかし、在宅医療・看護の個別性の高い環境下では、実践の場において臨機応変な対応が必要だと思いますので、科学的情報/知識に基づき、柔軟かつ適切な対応方法をご検討ください。

④換気の目安や有効な方法があれば教えてください。

どうしても訪問が必要な場合は、訪問前に換気を依頼してください。訪問時、玄関を開けて数分後に家に上がること、ケア時も窓を必ず開けておくこと、を心掛けてください。また、扇風機を用いた換気も有効です。方法はこちらをご確認ください。※必ず、自分が風上、扇風機を背にするようにしてください

⑤訪問介護等のサービスを利用している方の場合、サービスを継続すべきでしょうか?

継続的な生活支援が必要なコロナ陽性者のケアは困難です。訪問サービスは、原則中止し、本人へ入院を勧めると同時に、入院を強く求めるよう保健所などに掛け合ってください。

▼ご意見・ご質問等はこちらからどうぞ
https://www.shf.or.jp/contact/

訪問看護士向けに、感染防護具の外し方などをまとめた簡易マニュアルも作成しました。ぜひご活用ください。