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102号大使メッセージ: ハンセン病ゼロとグローバルアピール

毎年開催しているグローバルアピールが2021年1月末に16回目を迎えた。今年は国際労働組合総連合(ITUC)と共催し、テーマは「働く権利」。コロナウィルスの影響を受けて初めてオンラインでの開催となったが、式典ではシャラン・バロウITUC事務局長、テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官を含む多くの方々にビデオメッセージにてご登壇いただいた。

2006年から始まったグローバルアピールは、世界ハンセン病の日に合わせて、国際的に強い影響力を持つ個人や国際団体の協力を得て、世界のすべての人々にハンセン病に対する正しい理解を促し、ハンセン病患者・回復者・その家族らに対する差別や偏見をなくすことを目的としている。過去には、各国の政治指導者、企業や大学のトップに加え、世界医師会、国際法曹協会、列国議会同盟、国際パラリンピック委員会などから賛同を得ている。

一方で、WHOは世界ハンセン病戦略の中で、2030年までにハンセン病ゼロ(病気、障がい、差別をゼロに)を目指す方針を新たに打ち出した。私はハンセン病問題の根本にあるのは人々の無関心だと考えている。WHOの積極的な姿勢は評価できるが、この野心的な目標の実現には、ハンセン病と奮闘するすべての関係者が共に協力し、一人でも多くの人々にハンセン病に関する正しい知識を伝えていくことが、ハンセン病ゼロの第一歩になるはずだ。グローバルアピールはそれを推進する原動力になることが期待される。人々の無関心を正すこと、それは私自身のライフワークでもある。

WHOハンセン病制圧大使
笹川陽平

2021年3月号 PDF (英語版)