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インドネシア ハンセン病当事者支援団体基盤強化〜2020年度活動報告①

本事業の活動地であるインドネシアは2000年に公衆衛生上の問題としてハンセン病の制圧を達成しました。しかし過去10年間の毎年の新規患者数は15,000人を超えており(2019年は17,439人)、世界で3番目に患者の多いハンセン病蔓延国と位置付けられています。

東ジャワ州のガンゲット村(Nganget village)は、かつて森の中にハンセン病患者を収容するための小屋が建てられているだけの土地でしたが、ハンセン病病院が建設されると、治療を終えても故郷に帰ることができずにいた人たちが病院周辺に住み、集落を形成するようになりました。インドネシアでは、多くの回復者がこのようなハンセン病定着村で生活をしています。そして、そこに住む人たちへのスティグマと差別はいまだに根強く、その子どもたちも進学や就職を機に村を出てしまうため、高齢の回復者が残されてしまっているという現状があります。インドネシアや日本の若者たちとの交流を通じ、村の生活環境を整え、一般社会との垣根のない村づくりをしていこうと活動しているのがワークキャンプ運営団体のSATU JALAN BERSAMA(以下、JALAN)です。

JALANは、当初ボランティア団体として、学生たちが数週間村に滞在(キャンプ)しながら、村の清掃活動やインフラ整備など(ワーク)を通じて住民たちと交流をするワークキャンプ活動を行っており、笹川保健財団も過去10年間、この活動を支援してきました。その間、このワークキャンプが、参加した日本人やインドネシア人学生たちの成長を促し、周辺住民の偏見の解消に貢献してきたとして、さらに活動を広げるべく、2019年12月に法人格(Yayasan、インドネシアのNPO法人)を取得しました。

ガンゲット村の人たちと運営代表のナディラさん(右)(SATU JALAN BERSAMA提供)

JALANが目指すのは「ハンセン病快復者(回復者)とその家族の笑顔が差別によって奪われることのない社会」の実現です。そのために、ワークキャンプを事業の柱と位置づけつつ、写真展示会などの社会啓発事業も実施しています。新たな取り組みとして、定着村出身の若者の教育・就労支援事業を立ち上げる計画もあります。

2020年度笹川保健財団は、JALANがこのように新たな事業展開をしていくためのネットワークづくりのための支援を行いました。活動の拠点となるインドネシアと、学生たちが多く参加する日本、それぞれから協力者を募る取り組みです。世界的なコロナ禍のため、協賛を得るための活動も控えざるを得ませんでしたが、団体のウェブサイトを制作・公開したり、インドネシアと日本の128社5団体に対し団体概要資料等を配布したり、オンラインセミナーに参加して活動を紹介するなど、情報発信をすることでファンドレイジングを行いました。その結果、目標としていたワークキャンプ開催費用相当額の3倍近くとなるUSD 6,243を調達することができました。

また、2021年1月31日の「世界ハンセン病の日」に向けた啓発キャンペーンを実施し、その間、啓発グッズとして制作したオリジナルのピンバッジを、パートナーショップに置き、寄付を募りました。ピンバッチには、インドネシアの伝統柄であるバティックのパッチワーク柄があしらわれており「ハンセン病回復者の人たちを受け入れよう」「壊れてしまった希望を取り戻そう」という願いが込められています。

啓発グッズとしてオリジナルで制作したピンバッチ。インドネシアの伝統柄「バティック」のパッチワーク柄があしらわれている。(SATU JALAN BERSAMA提供)

2021年度も引き続きワークキャンプの実施を見合わせているJALANですが、現在は立ち上げを計画している教育支援、就労支援のニーズ調査を行いながら、ポストコロナの活動の方向性を検討しています。

 

SATU JALAN BERSAMAウェブサイト(マンスリーサポーターを募集中です)

(日本語)http://satujalanbersama.org/ja/
マンスリーサポーター支援ページ
(インドネシア語)http://satujalanbersama.org/
マンスリーサポーター支援ページ

Facebook Yayasan Satu Jalan Bersama

活動紹介パンフレット PDF(インドネシア語)

世界ハンセン病の日リーフレット PDF(インドネシア語)

参考資料:NNN ASIAアジア経済ニュース掲載記事
【アジアで会う】高島雄太さん・ハンセン病回復者支援団体 第312回差別のない社会へ歩む(インドネシア)PDF

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