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訪問看護師が少子化日本を変える!?

2021年9月12日(日)、母性看護専門看護師の長坂桂子氏が理事を務めるNPO法人フィット・フォー・マザー・ジャパン主催【産前産後の訪問看護実践交流会】が、当財団の2021年度研究助成を受けオンラインで開催され、現役の訪問看護師、病院勤務の看護師の他、これから訪問看護を始める方、母性看護専門看護師、診療報酬関係研究者、自治体職員など、総勢約80名の方が参加されました。

『母親のメンタルヘルスに関する先駆的看護実践|産前産後の訪問看護サービスの実装』

と題した本会は、訪問看護事務所管理者2名の発表と参加者とのディスカッションが行われました。

まず、エイトカラーズ訪問看護ステーション(名古屋市、2020年10月開業)の増田雄太さんは、自費の産後デイケア事業から開始し、愛知県初の産前産後に特化した訪問看護ステーションを開設した経緯を紹介。

二人目は、「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業第7期生の訪問看護・リハビリテーションセンターななかまど中央(札幌市、2021年6月開業)の小六真千子さんの講演で、開業前から様々な関係機関(総合病院・産科病院・精神科病院・助産所・保健所等)へ挨拶周りをし、いつでも連携が取れる関係を築いてきた実践が語られました。

上段:主催者(右・長坂氏) 下段:演者(左・増田氏、中央・小六氏)
上段:主催者(右・長坂氏) 下段:演者(左・増田氏、中央・小六氏)

当財団会長・喜多へも時間をいただき、本分野の重要性とそれを担う方々へのメッセージを送りました。

今の日本において、少子化対策・母性保健・リプロダクティブヘルスは、非常に重要なテーマ。
地域の助産師・看護師が手をつなぎ、潜在化している問題を掘り起こして面で地域の母子を守っていける体制を作っていただきたい。

その後の質疑応答の時間では、事業開始や報酬の算定方法等の具体的な質問や、これから解決しなければならない課題について議論し、3時間に亘る交流会が終了しました。

参加者のアンケートでは、86%の方が「産前産後の訪問看護は日本の少子化に貢献する!」と回答したそうです(グラフ参照)

最後に、長年当該分野に関わる長坂氏のコメントです。

妊娠・出産・子育て期は、喜ばしいことが多い一方、身体心理社会的な健康課題が生じやすい時期です。
産前産後の訪問看護が社会インフラとして定着すれば、子育て期の暮らしはもっと安心できるし、医療の生産性も上がるでしょう。目指したい安心社会に向けて、参加者の方とともに、一歩を踏み出しました。
今後もこのような機会を重ね、良い実践を見える化することを通して、政策に反映させていきたいと思います。

<2021年度笹川保健財団研究助成>テーマ名:「心身の不調を抱える産前産後の母親とその子どもに対する先駆的訪問看護実践」