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ママさんナースと地域づくりに挑戦!

本記事は、笹川保健財団が実施する「日本財団在宅看護センター」起業家育成事業研修を受講後に神奈川県川崎市で開業した磯野祐子氏の事業所「地域まるごとケアステーション川崎」の紹介です。

ママさんナースが働きやすい環境を作りたい

地域まるごとケアステーション川崎 のメンバーは7名でそのうち4名がママさんナースです。私は、ママさんナースも子どもも地域で楽しく暮らして、楽しく学べる看護界にしたいと考えています。

子育てをしながら、訪問看護ができるように、利用者の皆さんにも、子育てをしている看護師が働いていることを契約時にお伝えするようにしています。「ご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、子育ての応援とご協力をお願いします」とお伝えすると、皆さんも心から応援してくださいます。

地域に開けたセンターであること

まるごとケアステーションでは、開業当初から地域の方や、保育園のボランティア、スタッフの子ども等に開放しており、いろんな人が遊びに来れるようにしています。地域に開けた活動の場である事が大事だと思います。

また、まるごとケアステーションでは、利用者さんを中心に利用者さんのコミュニティや、地域の方と一緒に、その方の好きや得意なことと地域資源(ひと、モノ、コト、場)を活かし、地域全体がケアの場と考え、地域の中でのケアを皆で楽しんでいます。

ハーモニカが得意な利用者さんが、他の利用者さん宅にハーモニカを演奏に行くというように、まるごとさんを通じて、コ・クリエーション(地域を共に創る)活動が生まれました。この利用者さんは亡くなる2週間前に、まるごとkidsたちに自宅の縁側でハーモニカの演奏と、子ども達にハーモニカの吹き方を教えてくださりました。最後には、そのハーモニカをプレゼントしてくださいました。

地域全体がケアの場

地域で孤独に子育てをしている母達と地域で孤独を感じながら暮らしている高齢者のニーズが一致している部分が多い事に気が付きました。
お互い、名前は知らなくても、ちょっと立ち止まって「いい天気ですね」と挨拶をするだけで、心が温かくなる。このような、緩い繋がりが重要だと思います。
訪問看護でなく、地域の人たちと一緒になって、心地よい地域の繋がりを、地域の人たちと一緒に作っていけるような、地域ケアを考える地域ケアステーションにしたいと考えています。

イベントは仲間を増やすBigチャンス!

季節のイベント時には、繋がりを持った地域の方たちと、スタッフの子ども達、そして地域の子ども達と一緒に、イベントを楽しみながら地域の繋がりをさらに広げていきます。ハロウィンでは、利用者さんにご協力いただき、ご自宅を立ち寄りポイントにして頂き、子ども達は利用者さんからお菓子をもらいました。

また、子ども達は、地域を歩きながら、お店の方や、すれ違う人達に「ハッピーハロウィン!」と言いながらお菓子や手作りのメッセージカードを配ったりしました。メッセージカードを受け取った利用者さんや街の人たちの驚いた顔や嬉しそうな顔を見た子ども達もとても嬉しそうでした。

このようなイベントを毎年行っていると、子ども達は自分から勇気を持って声をかけられるようになります。子ども達の成長は、私達ママさんナースだけでなく、利用者さんや地域の人たちの喜びにもなっています。

そして、子ども達も普段から体調の良くない高齢者が元気になる様子を目にすることで、看護師の仕事を理解したり、一緒になって喜んだりすることができます。これは、ママさんナースのやりがいにもなっています。私達は訪問看護だけでなく、コミュニティの持つ力を活かし、多職種連携をしながら、Community Based Careを届けています。

地域まるごとケアを始めた訳

私は、病院や地域など様々な場所で看護師を経験し、人々の暮らしを見てきました。医療全体を見た時に「ひと中心のケアというのに、どうしてひと中心になっていないのだろう」と思い、医療経営や地域包括ケアを学びました。今の医療の問題や超高齢社会のほか、生産年齢人口の減少についても知り、これからは、地域共生社会の実現に向けたまちづくりが重要であり、それには、地域福祉や公衆衛生など様々な分野を超えた学びが必要だと思いました。

そのような時に北海道で地域まるごとケアを実践されている先生に出会いました。「地域まるごとケア」という言葉は私が考えたのではなく、先駆的な地域医療・介護を実践されてきた諸先輩が考えられ、実践されていました。

まるごとケアを提供しているまるごとケアの家の定義には、「医療・看護・介護・その他の社会資源を制度の枠組みにとらわれず複合的に組み合わせ、地域で援助を必要とする者に対して日常生活の包括的なケアを適切に提供する事業の総称とあります。

また、地域まるごとケアは「老いや病を支えるための医療・介護の連携(Integrated care)と地域コミュニティの中で支え合い(Community Based Care)、うまくつながり合うこと。仕組みではなく、地域の人たちと時間をかけてつくり上げていくもの。地域包括ケアよりもさらに広いつながり」であることを地域まるごとケアを紹介する雑誌から知りました。私も「地域まるごとケア」を訪問看護バージョンで実践してみたいと思い、2016年「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」の8か月間の研修を受けました。

起業や経営について学んだほか「国際的な観点からみると、貧困は最悪の病気」だということも知りました。プライマリー・ヘルス・ケアや、社会と人間の「幸福」を繋ぐドラッカーのマネジメントを学び、「看護の視点で開発って面白い!」と思い「地域まるごとケアステーション川崎」を開業しました。

地域まるごとケアステーション川崎

法人名:一般社団法人コ・クリエーション
事業所名:地域まるごとケアステーション川崎
代表理事:磯野 祐子
所在地:〒212-0057 神奈川県川崎市幸区北加瀬3-19-5 コスモマンション303
電話番号:044-411-5151
FAX番号:044-411-6161
メールアドレス:info@co-creation.or.jp
創業年月日:2017年8月1日