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看護フェロー 留学先での新生活をスタート

2023年度秋学期にむけて、先日壮行会で送り出したフェローたちがそれぞれ渡米、新生活を開始しています。続々と便りが届いていますので、少しずつご紹介していきます。

オリエンテーションでの岩水さん(左)と岡田さん(右)

今回ご紹介するのはエモリー大学公衆衛生大学院でGlobal Healthを専攻する岩水結子さんとBehavioral, Social, and Health Education Sciencesを専攻する岡田香織さん。オリエンテーションを経て授業が始まったところで報告の連絡をくれました。

「今学期に主に学ぶのは、Global Healthの概要と、統計学です。まだ深い授業内容には入っていないのですが、どちらも長年学びたかったことなので、Emory大学で学べることを光栄に思います。」と報告をくれたのは、昨年度まで保健師として日本の民間組織で難民受け入れや第三国定住に関わっていた岩水さん。

「自分がどのような経験をして何を学びたいかを1枚のレポートに書くように」という宿題に対し、「これまでの自分だったら難民だけで用紙1枚を埋めていましたが、現時点の私が学びたいことはフェローの経験も踏まえて①難民支援体制 ②複合的な災害の解決 ③医療従事者から社会にどのように働きかけるか の3点となりました。」と嬉しい報告をくれました。昨年フェローとして参加した福島フィールド視察研修をきっかけに、複合的な災害に対する意識が高まったそうで、彼女のような視野の広がりはまさに、笹川保健財団がフェロー活動を通じて各フェローに経験してほしいことのひとつです。

専攻分野は違うものの、たまたま同じ大学院に進むことになった岡田さんも、積極的に先生に相談しに行っているとのこと。お互いに、いい刺激をもらえる仲間がいることを嬉しく感じているようです。

岩水さん、岡田さんはまた、それぞれ授業が始まる前からフェローであることに感謝することがあったと報告をくれていました。7月、早めに渡米していた2人と共に、財団会長の喜多とフェロー担当がエモリー大学を訪問し、大学関係者の方々と面談したのですが、その際に本奨学金事業の目的や本人たちのビジョンを伝えることができました。このことがきっかけで、2人はリーダーを目指す人材だと認識してもらえ、大学やOBなどからもサポートを得ることができているとのことでした。

学科長に自らのビジョンを伝える
岩水さん
大学から隣接するCDCを臨む
心強いサポートが魅力のエモリー大学

2人が早くに渡米したのは、それぞれ少しでも早く英語の環境に慣れ、準備をしたいと考えたから。

Sasakawa看護フェローへの応募にはIELT6.0(またはTOEFL80)以上の基準を設けていますが、フェローが奨学金を得て留学するためにはIELTS6.5のスコアを得ていることを条件としています。

実は岩水さん、岡田さん共にエモリー大学出願時点ではこの基準を満たしておらず、合格が決まった後それぞれから相談がありました。その時に財団からお伝えしたのは、「覚悟を見せてください」ということでした。

当時、それぞれ仕事をしていた2人は、出願準備、合格後の大学側とのやりとりとの両立で精いっぱいで、なかなか英語力向上のために力を割けない状況でした。しかし、「何かを本気でやりたいと思ったら何かを削る覚悟がなければならない。財団で設けた基準は大学院で学ぶには必要な英語力であるため、それなしに渡米しても、本来の半分も理解できないかもしれない。それではもったいない。本当に学びたいなら、仕事に区切りをつけて英語力向上に専念するくらいの覚悟を」という喜多の言葉に自らを奮い立たせた二人は、そこから数週間のうちにめきめきと英語力をつけて、さらにアメリカで語学の学習を開始するため、自費で早くに渡米をしたのでした。

授業が始まってから「英語レベルが低いことから、統計の授業についていけるのか、Global Healthのグループワークでメンバーに貢献できるかを心配しています」と不安を吐露する岩水さんに、喜多は「あなたの英語力はあなた以外に改善できる人はいないので、とにかく努力すること。努力した成果は必ず出ます」と激励の言葉を贈りました。

Sasakawa看護フェローの次回応募締め切りは10月末を予定しています。募集開始の連絡、説明会等情報はメルマガで配信しますので、ご関心のある方はぜひご登録の上、ご準備ください。