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日本財団在宅看護センターネットワーク 第3回北欧研修が終了しました

 2024年10月11日、「日本財団在宅看護センター起業家育成研修」を修了した起業者5名と、スタッフ8名(看護師および事務職員1名)が約1週間の北欧研修を終え帰国しました。笹川保健財団では、上記起業家研修を通じて育成した在宅看護センター職員を対象に、少子高齢化問題など、日本と同様の社会的課題を抱えながら、独自のアプローチをとってきた北欧のヘルスケアシステムとその実態を視察・学習し、将来の日本の看護師の役割について考える「北欧研修」を実施しています。本研修は2023年に開始し、今回で3回目の開催となりました。今回は北欧フィンランド及びスウェーデンの高齢者施設等を視察しました。

フィンランドのネウボラ(ファミリー・センター)入口で

 フィンランドでは、家庭内暴力被害者のためのシェルター、子供と家族を支援する地域拠点「ネウボラ」、終末期ケア施設、高齢者入居施設、フィンランド保健福祉研究所(THL)、そして在フィンランド日本大使を表敬する機会にも恵まれました。参加者は、日々高齢者や医療的ケア児等の在宅看護に従事している看護師ならではの観点で、フィンランドの母子保健や高齢者施設、そして看取りへの取り組みについて積極的に情報収集、意見交換しました。

どの部屋からも庭を眺めることができる高齢者施設(スウェーデン)

スウェーデンでは、一般的な高齢者住宅と特定の認知症の方を対象とする施設の2か所を訪問しました。参加者たちは、まず「認知症」や「訪問看護」についての考え方や定義が日本と異なることを理解し、その背景にある制度や文化、家族とのかかわりなど、医療のみならず人々の生活支援にも深くかかわる看護師ならではの視点で、鋭い質問を投げかけていました。

日本の看護師の実践力は世界の中でもトップレベルであり、今回訪問した国々と比べても劣るところはありません。笹川北欧研修の参加者たちは、看護の技術を学びに行くのではなく、その国で行われているケアをクリティカルな視点から捉え、自身の経験に照らして日本の看護・介護の現場で今後何をすべきなのかを考察・議論し、社会に還元していくことが求められています。

今回も前回に引き続き、大変活発な質疑応答、ディスカッションの時間を持つことができました。研修の詳細と参加者からのレポートをまとめた報告書は、後日ホームページにて公開いたします。

本研修の実施にご協力いただいた全ての皆様に、心より御礼を申し上げます。