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ミスター・スプラナショナル2024とエチオピアのハンセン病啓発キャンペーンを実施

ハンセン病当事者の居住地、シャシャマネ村の子供達とミスター・スプラナショナル2024、フェジレ・ムカイゼ氏

笹川ハンセン病イニシアチブは、世界ハンセン病の日(1月最終日曜日)に合わせ、2025年1月21日から26日までエチオピアで啓発キャンペーンを実施しました。本キャンペーンは、アルマウェル・ハンセン研究所(AHRI)と協力し、南アフリカ出身のミスター・スプラナショナル2024ファイナリストであり、医師としても活躍するフェジレ・ムカイゼ氏(Dr. Fezile Mkhize)を迎えて行われました。ムカイゼ氏は医師としての専門知識を活かし、ハンセン病に関する正しい情報を発信するとともに、病気への偏見をなくすための啓発活動を行いました。

フェジレ氏はエチオピアの首都アディスアベバに到着後、AHRIの専門家と面談し、同国におけるハンセン病研究や現在進行中の取り組みについて学びました。その後、医療従事者や地域リーダー、ハンセン病当事者と交流し、病気の克服に向けた進展と、依然として残る課題について情報を得、インスタグラムなどソーシャルメディアを利用し発信しました。

本キャンペーンのハイライトの一つは、ムカイゼ氏がハンセン病当事者の制作するハンドメイド織物工房を訪れ、ハンセン病当事者であり、エチオピア全国ハンセン病当事者協会(ENAPAL)の元代表であるビルケ・ニガトゥ氏(Ms. Birke Nigatu)との対話でした。ビルケ氏は、自分自身もハンセン病による手の障害と向き合いながら、同じ境遇の女性たちが美しい織物を制作し、生計を立てられるよう支援するコミュニティを設立しました。さらに、事業を国際的に展開し、地域の経済的持続性を高めることを目指しています。ビルケ氏は、「ハンセン病は一生つきまとう烙印ではなく、適切な治療と支援があれば乗り越えられる病気です。私たちは強く、生きる力があります。」と力強く語りました。この言葉は、単なる啓発活動にとどまらず、持続的な変革を生み出そうとする本啓発活動の核心を象徴しています。

また、フェジレ氏はハンセン病当事者の居住するシャシャマネの村を訪れ、地元の子どもたちと温かい交流のひとときを過ごしました。この訪問を通じて、幼い頃からハンセン病への正しい理解を深めることの大切さを伝え、すべての人が尊厳と敬意をもって受け入れられる社会の実現を呼びかけました。

キャンペーンの締めくくりとして、世界ハンセン病の日にENAPALや政府関係者が一堂に会する特別イベントが開催され、ハンセン病問題の解決に向けた強い決意が示されました。ゲストスピーカーとして登壇したムカイゼ氏は、ハンセン病当事者が丹精込めて作った美しい刺繍入りのスカーフを身にまといながら、ハンセン病とハンセン病にまつわる課題に対する国際的な関心と行動の重要性を強調しました。また、地域社会の取り組みに光を当てることで、「誰一人取り残されることのない未来」への希望を力強く訴えました。

ハンセン病当事者の村、シャシャマネを訪問
ENAPALオフィスにて
ハンセン病当事者の声をきく
病棟エリアにて
整形外科の義肢装具の製作を見学
ハンセン病当事者のハンドメイド工房を見学
伝統的な織物技術を守り続けるハンセン病当事者
美しい織物の作品
ENAPALの元代表であるビルケ・ニガトゥ氏と
医療従事者のトレーニングに参加
医療従事者の研修に特別参加
フェジレ氏も積極的に発表
研修後の集合写真
保健省を表敬訪問
保健省の前で
疾病予防・管理統括部門のヒウォット・ソロモン氏と
世界ハンセン病の日に向けた様々な活動
ALERT病院での世界ハンセン病の日のイベントに参加
ENAPALのイベントに参加
世界ハンセン病の日に向けたメディアを通じた啓発活動
ハンセン病当事者の作品である刺繍入りのスカーフを纏いスピーチを行う