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看護フェローからの現地レポートその⑨

カナダのマギル大学に留学中の金岡 真利さんから、近況のレポートが届きました!

その報告と写真をご紹介します。

マギル大学メインキャンパスの建物

早いもので、こちらに来て1年が経ちました。

この地で留学を続けさせていただいていること、本当に日々感謝でいっぱいです。

この夏は、修士論文の研究計画書の作成で、ほとんど図書館にこもって過ごしておりました。

大学院の授業は4月末で一旦完了し、コースワークの単位はほぼ修得できましたので、5月から修論に関して本格的に研究計画を立て始めました。

現在は分析計画を、学部内の統計学の先生と最終調整しているところです。

マギル大学図書館入口

研究では、パンデミックの時期にケベック州で生まれた子どもたち4000人以上を20年にわたり追跡する縦断研究のデータを用い、その最初の生後5か月から29か月までのデータを分析します。

具体的には、親が乳幼児の前でデジタル機器を頻繁に使用することで子供への反応性が低下する現象(テクノフェレンス)が、その後の親自身の育児への自信や子どもへの愛着にどのように影響するか、その因果関係を定量的に調べ、デジタル時代の子育てという文脈における人間にとってのテクノロジーの役割や関わり方を探求する予定です。

日本でも、子育て中の親のスマートフォン使用は話題になることが多いため、この研究を通じて将来の日本における子育て支援や施策にも役立つ知見を得られるよう努めたいと思っています。

ケベックの公式の研究であることから、既存のデータがフランス語であり、英語に直して取り組むのに苦労していますが、同時に、とても勉強になります。

マギル大学の家庭医学部の修士課程は、2年目を研究に専念するカリキュラムとなっており、その分厳密な成果が求められます。初めて学ぶことも多く時間はかかりますが、大変やりがいがあり、充実した日々を過ごしています。

夏の間は、リスやアライグマ、マーモットなどを頻繁に見かけ、自然豊かなカナダならではの雰囲気でした。

最近は朝晩は寒く、10度前後になり、秋真っ盛りです。短い夏が終わり、そろそろ心理的にも冬に備える必要がありそうです。

引き続き、研究に励みながら、留学生活を充実させていけるよう、励みたいと思います。

時々研究ミーティングが開催されているケベックの小児病院
冬のマギルキャンパス

Sasakawa看護フェロー2025年度第2回募集は10月開始予定。募集開始の際はホームページにてお知らせします。