JP / EN

News 新着情報

ミス&ミスター・スプラナショナルハンセン病フォーラム2026を開催

ハンセン病フォーラムに参加した「ミス&ミスター・スプラナショナル」の各国代表たち

笹川ハンセン病イニシアチブは、2026年7月23日、ポーランドで「ミス&ミスター・スプラナショナル ハンセン病フォーラム2026」を開催しました。世界各国から集まった約110名のミス・ミスターの代表が参加し、ハンセン病について学び、ハンセン病回復者から直接話を聞きました。また、ハンセン病に対する正しい理解を広げ、偏見や差別をなくすために、自らの立場や発信力を生かして何ができるかを考えました。

午前のセッションは、ミス・スプラナショナルの創設者であるゲルハルト・パルツトカ・フォン・リピンスキ氏の挨拶と、WHOハンセン病制圧大使の笹川陽平氏によるビデオメッセージで幕を開けました。

続いて、インドネシア、コロンビア、バングラデシュから参加した3名のハンセン病回復者が、それぞれのライフストーリーを共有しました。ハンセン病と診断されてから、治療だけでなく、偏見や差別を乗り越えてきた経験、そして現在、他の人々を支援し、ハンセン病への理解を広げるために取り組んでいる活動について、率直に語りました。インドネシア・マカッサル出身のエルマワティさんは、自身のライフストーリーについて公の場で語るには大きな勇気が必要だったと振り返りました。そして、このフォーラムで自らの経験を伝える機会を得たことについて、「本当に特別で意義深い経験だった」と語りました。

その後、ハンセン病の啓発活動に取り組んだ2025年のミス・スプラナショナルのコンテスタントによる活動報告も行われました。ハンセン病回復者団体と協働で開催した啓発イベントなどの取り組みを紹介するとともに、ソーシャルメディアをどのように活用して啓発活動を行ったかについて発表しました。

発表後は、参加者が自らの発信力をどのようにハンセン病への取り組みに生かせるかについて話し合いました。参加者の多くが、啓発活動は単に情報を伝えるだけではなく、人々の理解を深め、具体的な行動につなげていくことが重要だと強調しました。自国のハンセン病問題に取り組むNGOを訪問したナイジェリア代表のラム・クリス・チドゥベム氏は、思いやりの大切さを強調し、「思いやりは、薬よりもさらに力を発揮する」と参加者に呼びかけました。そして、ハンセン病は治療可能な病気であり、感染力もそれほど強くないことを正しく理解してもらうことが、偏見に立ち向かうための重要な一歩になると訴えました。

また、啓発を具体的な行動につなげるためのさまざまな提案も寄せられました。アメリカ代表のマルコ・イバラ・カスティーヨ氏は、「知識は力」と強調し、啓発イベントに早期発見やスクリーニングの機会を取り入れることを提案しました。そして、まず問題を知り、認識することが、その解決に向けた第一歩になると述べました。ブラジル代表のダントン・ミゲル氏は、ハンセン病回復者の声を社会に届ける代弁者となることの重要性を指摘するとともに、回復者自身がソーシャルメディアや公の場で自らの経験を語る機会を増やしていくことを呼びかけました。

一方、インドネシア代表のアグネス・アディティア・ラハジェン氏は、意義のある対話は、日常の身近な場面から始まることが多いと指摘。チャリティーガレージセールなどの地域イベントを、ハンセン病への理解を広げ、人々との対話を生み、支援を呼びかける場として活用することを提案しました。このほかにも、多くの参加者から、自らの影響力やソーシャルメディア、専門性、創造性を生かして、ハンセン病に関する正しい知識を広め、偏見や差別に立ち向かうためのさまざまなアイデアが寄せられました。参加者それぞれの経験や強みを生かした提案は、啓発を「知ること」から「行動すること」へとつなげる可能性を示すものとなりました。

午後には、ミス・スプラナショナルのコンテスタントを対象としたワークショップが行われ、午前のセッションで学んだことをもとに、啓発メッセージの制作に取り組みました。

参加者は10名ずつ、7つのグループに分かれ、ハンセン病をテーマとした1分間の啓発動画を制作しました。午前のフォーラムで聞いた当事者の体験や意見交換を踏まえ、各グループが以下の重要なメッセージを盛り込んだ動画を作成しました。

・ハンセン病は治る病気であること
・偏見や差別をなくさなければならないこと
・ハンセン病回復者の尊厳と社会への包摂を守ること

参加者は、フォーラムのために用意された啓発資料やプロップスを活用し、限られた時間の中で協力しながら短い動画を完成させました。普段からソーシャルメディアを活用している参加者ならではの経験を生かし、若い世代にも分かりやすく、興味を持ってもらえるコンテンツが制作されました。

7つの動画はイベント当日にInstagramで公開され、その後、各グループによる発表も行われました。動画に加え、参加者がソーシャルメディアで発信した写真やメッセージも、ハンセン病に関する正しい情報を広め、世界中の人々の理解を促すことにつながりました。

「The Last Mile Starts Now」

会場では、笹川ハンセン病イニシアチブの新たなスローガン「The Last Mile Starts Now」のメッセージパネルも用意され、参加者がそれぞれの言語でメッセージを書き加えました。このスローガンには、ハンセン病のない世界に向けて、取り組みをさらに加速させようという決意が込められています。

今回のフォーラムは、ハンセン病について「知る」だけでなく、「自分に何ができるか」を考え、行動につなげる機会となりました。世界各国から集まったミス・ミスターの代表たちは、ハンセン病回復者の声に耳を傾け、それぞれの経験や強み、発信力を生かして、偏見や差別のない社会に向けた一歩を踏み出しました。一人ひとりの声が、身近な人々へ、地域へ、そして世界へと広がっていくことで、ハンセン病への理解と共感は少しずつ大きな変化へとつながっていきます。