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地域啓発活動の現場見学レポート

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横浜市戸塚区にあるドリームハイツは、1972~74年に建てられた全23棟総戸数2270戸のビックコミュニティです。JR戸塚駅から路線バスで30分ほどの古い住宅地です。ということは、住民の高齢化は著しく(52.7%)一人暮らしも多く(2018年時点で659名)、典型的な高齢社会の問題を抱えている一方、住民の皆さまが、自ら力を合わせ、子育て支援、高齢者・障がい者支援、多世代交流などに取り組まれており、問題解決に向けた高い意識のある地域とも見受けられます。
看護師である内海壽子氏は、病院勤務、訪問看護、さらに地域医療連携やがん相談業務に従事した後、特定非営利活動法人ふらっとステーション・ドリーム(松本和子理事長)内に昨年10月から「まちの保健室」の準備室を開設し、住民の医療・健康に関する無料相談に応じられています。相談者が想像以上に多いこと、また、相談時間の延長や住民との学びの場を持ちたいとの思いから、4月から当財団の地域啓発活動助成を受け、より多くの高齢者の来室を目指しています。
今回、世間ではACP(アドバンスド ケア プラニング、人生計画。人生の最期をどう送るかを決めること)など、色々な意思決定が求められるようになっています。内海氏は、気軽に色々な相談ができる場をつくることを目的に、地域住民に対する研修会を計画しました。
第1回目「まちの保健室・ふらっと講座」は7月30日、コミュニティー内集会所で開催され、70-90代の住民およそ30名が参加されました。看護師・ケアマネージャーとして働かれ、さらに行政書士でもある講師の我妻正子氏からは、高齢・多死社会の現状として死ぬ場所がごく限られつつある中、これからは在宅療養が必須であり、その場合の費用や利用できるサービスについて、また自分が望む最期のあり方を考え、医療・ケアチーム等と繰り返し話し合う取組みとしてACPが促進されていることをわかりやすくお話しされました。参加者には、すでにエンディングノートを書いている意識の高い方もおられましたが、徐々に身体機能が低下し、病院へ行くことが出来なくなった場合は、まずどうすればよいのか、など具体的な質問も相次ぎ、講師からは訪問看護の活用についても補足があり、活発な時間となりました。

次回は大船で訪問診療をしている佐久間康徳医師(かがみ在宅クリニック院長)による研修会が9月18日に開催されます。様々な取り組みが実を結び、住民の理解が拡がり、意識改革から地域保健の推進につながることが期待されます。