私は、1983年に生まれ、両親から「ブディオノ」という名前をつけてもらいました。他の子どもたちと同じように元気な赤ん坊として生まれました。父親は農業従事者で、母は専業主婦であり、一家は日々の生活で精一杯でした。12歳の時、家から近い学校に入学し、卒業後は高等学校へ進学しました。高校2年生の時、インドネシアで金融危機が起きたため、その影響で、両親は経済的に余裕がなくなり、私は学校を辞めなければなりませんでした。10代後半から成人するまで農作業をして家計を助けていました。

2010年に隣村のアンカーと結婚し、2011年に第一子が誕生しました。とても幸せな日々を過ごしていました。しかし第一子が2歳になった頃、私の足と指はピリピリと痛み始めました。その時は普通の痛みだと思いましたが、保健所に行くと、保健所のハンセン病担当者から足の裏と指の状態を確認されハンセン病であると診断されました。私は自分がハンセン病であることにショックを受け、恐怖や、不安、そして劣等感を感じました。その後、ハンセン病担当者から12ヶ月間毎日飲むようにとMDT薬を渡され、障害者にならないよう、確実に服薬するようにと言われました。

私は、自分の状況を、家族、特に妻が離れていくのが怖くて、素直に話すことができませんでした。治療を始めて4ヶ月後、全身が腫れ上がるほどの激しい反応を経験し、妻や両親にハンセン病の治療のため、薬を飲んでいる事を話ました。その後、妻や両親は私から距離を置きはじめました。親は長兄と一緒に住むようになり、妻は実家に戻りました。非常に辛かったのは、妻からは離婚を求められたことで、子供も妻に引き取られました。

私はうつ病になり体調が悪くなり、愛する妻や親が離れていき、一人暮らしで孤立しました。毎日の食事などの生活用品は母がバナナの葉に包んで届けてくれましたが、感染を恐れて距離をとられ、ハンセン病に感染したことにより、心配してくれる家族もなくなり、たった一人で生きていく運命を嘆き、ただただ涙を流すだけでした。

しばらくして、保健所のハンセン病担当者に自分の置かれている状況や今後の事を相談したところ、モジョケルト県のスンブルグラガ・パセット・ハンセン病院に行くよう勧められました。翌日大したお金もなかったですが、モジョケルト県のハンセン病病院へ行きました。病院に到着して、色々なことが分かりました。一つは、私はまだ障害がなく、ハンセン病の初期症状がすぐに見つかり治療できたということで、これはとても幸運に思いました。

ハンセン病病院では、様々な人が様々な町から治療にきており、そこで多くの障害を持った友人ができました。私はそこでようやく、お互いに支えあうことのできる、新しい人生を共に生きる仲間に出会うことができ、前向きに生きていく情熱を持てるほど精神的にも回復することができました。

ハンセン病病院で12日間の治療を受け、病状が良くなったのでジェンバーに戻りました。やはり、家族は誰も私のことを心配してくれず、離れていったままであったことは残念でしたが、モジョケルトのハンセン病病院に入院していたときの体験が、12ヶ月間の投薬が終わるまで、真面目に薬を飲み続けるモチベーションになりました。

現在、私は、セルフケアグループからの融資資金でバクパオケーキの販売をしています。村から村へケーキを売って周り、忙しい毎日を過ごしています。