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地域を護る在宅看護ネットワーク 全体会議

昨年度に引き続き、日本財団在宅看護センター起業家育成事業の108名の修了生から71名に参加いただき、今年度もオンラインによるネットワークの全体会議を行いました。会議に先立ち、財団からは次のテーマについて参加者から回答を募り、それぞれについて財団の見解を述べた上で、今後のネットワークの展開について、また日々の活動で抱えている課題等について参加者と議論を行いました。

どのようにサービスの質を担保しながら看護と事業所経営のバランスをとり、後継者育成を行うかが議論の中心でしたが、財団からは、各事業所が看護師ならではの地域貢献の形を模索してほしい旨をお伝えしました。

第1期修了生のうち2015年開業の事業所は、すでに開業7年目に入っています。当初より、修了生たちは「地域のハブ」を担っていただくことが期待されていますが、経営基盤が安定し、余力が出た事業所の中には、その地域の社会的なニーズを汲み取り、訪問看護を超えた活動を始めているところもあります。

例えば昨年度は、九州地区で2件の地域活動が報告されました。ひとつは福岡で、社会的孤立しやすい65歳以上の男性を対象とした「男の料理教室」。もう1件は沖縄で、在宅看護センターの傍ら子ども食堂を運営する事業所が、子どもたちと栄養のあるお弁当を作り、地域の職に困っている世帯や安否確認が必要な世帯などに届ける炊き出し活動を実践しました。これらは、看護師が地域の中核として、様々なニーズを把握し対応するという新たな地域貢献のモデルとなる事例として、他の事業所の今後の活動への期待をお伝えしました。

子どもの居場所 炊き出し活動の様子

また、2019年の広島豪雨以来、財団では毎年度、災害備品支援を行ってきましたが、災害時、在宅酸素療法、透析が必要な患者や、妊産婦などは避難所で取り残されがちです。こうした人々への対応にも備えるべく、開業した看多機で災害時の受け入れができないか検討しています。災害の多い日本において、有事に看護師が積極的に受け入れることができれば、地域の大きな安心になるでしょう。この考えにも、開業者たちからは早速具体的な提案や意見が寄せられました。

全国27都道府県で活動する116の事業所は、「日本財団在宅看護センター起業家育成事業」の成果としてこの8年間で大きなネットワークに成長しました。今後も「看護師が社会を変える」活動として、地域を護る質の高い在宅看護ネットワークの構築を目指していきます。