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COVID-19ハンセン病コミュニティ支援 in バングラデシュ Part 3 当事者団体リーダー

2020年6月から7月にかけて、バングラデシュ北部のハンセン病蔓延地域4県において、ハンセン病当事者団体である4つの自助グループレプラ・バングラデシュ(Lepra Bangladesh) によるCOVID-19ハンセン病コミュニティ支援事業を支援しました。他の国と同様にバングラデシュにおいても、経済的な問題や偏見、差別に起因する様々な問題を抱えているハンセン病患者・回復者がおり、戸別訪問を通じ、新型コロナウイルスの感染拡大により、その状況がより深刻になっていることがわかりました。

コロナ禍で最も支援を必要とするハンセン病患者、回復者とその家族に、命綱ともいうべき物資やサービスを早く確実に届けることは、当事者団体にとって大きな挑戦となりました。今回は、その活動に携わった回復者リーダーをご紹介します。

ボグラ県代表 シャリフさん(70歳)

シャリフさんは、2014年より、ボグラ県の12支部、101の回復者グループから構成される県の代表を務めています。シャリフさんは、50代半ばにハンセン病と診断されましたが、発見の遅れから、すでに麻痺や潰瘍(かいよう)だけではなく、目に見える障がいに進行している状態でした。その自身の経験から、地域全体にハンセン病の正しい知識を広げ、ハンセン病による障がいによって、家族や地域から疎外された人々の力になることを願って活動に力を注いできました。

本事業では、シャリフさんは、すべての支部と緊密に情報交換し、時には一緒に現場に赴くなどして、受益者の選定から食料等の配布、地域での啓発活動に至るまで、すべてのプロセスに関わりました。また、各支部のリーダーから寄せられる声にも耳を傾け一緒に問題を解決するなど、県のチーム全体を統括する役割を果たしました。

シャリフさんはこれまでの活動に加え、ハンセン病を経験した当事者の声が、制度やサービスに反映されることが大切だと考えています。現在では県内での活動にとどまらず、国レベルの会議に参加するなど、当事者の声を積極的に発信しています。

パブナ県会計担当 ジェバさん(43歳)

ジェバさんも本事業で重要な役割を担った一人です。

ジェバさんは17歳で結婚し、その半年後にハンセン病の診断を受けると、夫から一方的に離婚され、精神的に大きな苦痛を経験しました。その経験から、特に精神的に苦しんでいるハンセン病患者・回復者のカウンセリングに力を入れて活動を行ってきました。

本事業では、支部メンバーやコミュニティ・チャンピオンと協力して、地域のハンセン病患者の各家庭を訪問し、生活状況の聞き取りに加え、メンタルヘルスの状況の把握にも努めました。コロナ禍で生活がますます厳しくなる中、より一層カウンセリングの重要性が増しているといいます。地域に住むハンセン病患者、回復者やその家族が一人でも多く元気を取り戻せるように寄り添いながら活動を続けていく予定です

このような熱意のあるリーダーたちによって届けられた支援は多くの患者や回復者に希望ももたらしました。今後も続くと予想されるコロナ禍を皆で力を合わせて乗り越えていけるよう、彼らの更なる活躍に期待しています。

回復者団体ボグラ地域連合レプラ・バングラデシュfacebookで日々の活動の様子がご覧いただけます。

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